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田中3失点8勝、楽天一夜で最下位脱出

8勝目を挙げベンチでナインと握手をかわす田中(右)(撮影・下田雄一)
8勝目を挙げベンチでナインと握手をかわす田中(右)(撮影・下田雄一)

<オリックス3-4楽天>◇28日◇スカイマーク

 負けない18歳の若きエースが、またチームを救った。楽天田中将大投手(18)が28日のオリックス戦(スカイマーク)で7回3失点と粘投し、8勝目を挙げた。まだデビューから連敗なし。高卒ルーキーで連敗せず8勝到達は66年堀内以来、41年ぶりだ。チームの連敗を止めたのもこれで6度目。マー君がどんどん頼もしくなっている。球宴第2戦(21日)で6失点と炎上したが、翌22日に母校・駒大苫小牧高の決勝を観戦。原点に立ち戻った田中が、後半戦白星スタートを飾った。

 マー君には、真夏の熱戦がよく似合う。ジリジリと焦げ付くようなシーソーゲームで、7回118球3失点。毎回走者を背負いながら、8勝目をもぎ取った。9回、離脱した福盛に代わる新ストッパー小山が3つ目のアウトを奪うと、ようやく笑みを振りまいた。

 田中「オールスターであれだけ打たれた後だったので、前半は緊張しました。ただ走者を出してから粘り強く投げたことができたのはよかった。粘れたから勝ちがついたと思う。野手の人に助けられたので、次はもっと自分で引っ張っていけるような投球をしたい」。

 21日、仙台での球宴に新人ながらファン投票で出場。先発で2回6失点。打ち込まれた直球を今後の課題に挙げた。この日は変化球中心で、直球はコースを突いた。持てる力をすべて注いで、オリックス打線を振り切った。野村監督も「今日は70点」と話すように、球威も制球も本来のものとは遠かった。7回には、マウンドでボールにささやいた。ひたすら粘り、勝利を呼び込んだ。

 チームの連敗を止めたのはこれで6度目。この日も連敗を2で止め、チームを1日で最下位から脱出させた。試合前、野村監督は「いつもマー君が止めてくれる」と連敗ストップへ期待を寄せた通りとなった。田中自身もデビュー以降、まだ連敗がない。66年巨人堀内以来で、あの西武松坂(現レッドソックス)でさえ、8勝時点で連敗を2度記録していた。

 この日神戸の試合開始時の気温は30度、湿度は75%。うだる暑さの中で、チームの苦境を救った。2年連続甲子園決勝の舞台を踏んだ夏男の本領発揮だった。「こっち(関西)は湿度が高いので、苦労しますが、何とか気持ちで乗り切った」と胸を張った。高校時代はアンダーシャツを着替えなかった。プロ入り後も1枚で通してきた。紀藤投手コーチに「オレは9枚、イニング分、用意してたぞ」と驚かれても「1枚でいいですよ」と話していた。ただ「今日はさすがに着替えました」と苦笑い。柔軟な対応はプロ投手として投球だけじゃなかった。

 球宴の翌22日には、母校・駒大苫小牧の南北海道大会優勝を観戦。「はしゃげました」と旧友と18歳の時間を持ち、リフレッシュ。地元関西で初勝利に「(観戦4連敗だった)親の前でいい投球ができてよかった。やっと親孝行できました」と18歳の笑顔を見せた。新エースは、球団最多勝の9勝にも王手をかけた。田中のドラマは、これからが夏本番だ。【金子航】

[2007年7月29日9時30分 紙面から]

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