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古田兼任監督が涙の退団&引退会見

- 古田兼任監督は退任会見でハンカチを手に号泣(撮影・鹿野芳博)
ヤクルト古田敦也兼任監督(42)が19日、涙で退団を発表した。試合前に都内でユニホーム姿で会見し、肩の故障などによる現役引退と最下位という成績不振の責任を取っての監督退任を表明した。4度の日本一に輝くプロ18年間を振り返る途中には寂しさより悔しさが勝り、何度も涙を流した。引退試合は本拠地最終戦となる10月7日広島戦(神宮)を予定している。球団は後任監督候補として、OBでスポーツキャスターの栗山英樹氏(46)を最有力に挙げている。
笑顔が、沈黙に変わった。「プロですから結果を問われるのは当然。思うような成績を残せず、ファンを失望させてしまった」。退団理由を淡々と語っていた古田兼任監督の表情が、急に変化した。「選手に伝えたいことは?」の質問に、下を向いて黙り込んだ。「あかんなあ、すいません」。メガネを外し、顔全体をハンカチでぬぐった。18年間の思い出が、次々と涙となってあふれ出てきた。
会見場に集まった約100人の報道陣やテレビカメラの前で、人目もはばからずに何度も泣いた。涙の意味は「寂しいよりも、悔しいほうかな」。今季は移籍や故障で戦力が大幅ダウン。補強面などでバックアップを得られず、口には出さなかったが、球団への不信感も背景にはあった。岩村(デビルレイズ)が抜けた三塁の穴を埋めるべく、獲得を熱望した中村紀に、この日のゲームで決勝弾を浴びたのも、皮肉な結果となった。
成績不振に加え、29年ぶりの挑戦となった「兼任監督」の不完全燃焼も、悔しさの1つだった。「今後、兼任をやるチャンスが来た人にできないと言うつもりはない。ただやるならバリバリの30代の方がいい」。全盛期を過ぎた40代で大役を引き受け、出場は昨年が36試合、今年は3試合。試合に出ない兼任監督では、期待に応えられなかった。
栄光の数々も「悔しさ」を増幅させた。入団2年目の91年に、セ・リーグ捕手初の首位打者を獲得。日本一に4度輝き、ヤクルトの黄金時代を築いた。2年前には2000安打も達成。活躍がチーム成績にも直結しただけに「僕がプロに入ってから最下位は1度もない」。開幕から最下位争いを続ける現状、自らの近年の不振は、全盛期とのギャップが大きかった。引退の理由には「直接的には肩(の痛み)もありました。決意した時期? 今年に入って早い段階だった」。肉体の限界は過ぎていた。
退団会見はBクラスが決まった2日後、「9月19日」に自ら設定し、球団に申し出た。3年前のちょうど同じ日は、違う涙を流した。労組日本プロ野球選手会の会長として、史上初のストライキを決行した日(2日目)だった。グラウンド外でも、球界発展のために尽力した。「野球選手なんで、僕の中では普通かな」。ユニホーム姿の会見に、言い表せない思いも詰め込んだ。【柴田猛夫】
[2007年9月20日9時17分 紙面から]
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