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ダルにエースの自覚「ちょっと達成感」

<ロッテ1-9日本ハム>◇29日◇千葉マリン

 両手を横に広げる飛行機ポーズで、日本ハム・ダルビッシュが、歓喜の輪にダッシュで加わった。出番はなかったが「ちょっと達成感みたいなものは感じますね」。昨年とひと味違うVの味だった。

 開幕直前、佐藤投手コーチからゲキが飛んだ。「1番いいボールを投げるんだから、柱としてやってもらわにゃ困る」。ダルビッシュの返事はなかった。「ハイ分かりましたというタイプやないやろ」と同コーチは笑ったが、エースの称号を肌で感じ取っていた。

 高卒3年目での開幕投手は、西武松坂が2年目に務めて以来の名誉。だがロッテ・ズレータに痛恨の同点満塁弾を食らった。新エースはいきなりつまずいた。「気を緩めたらアカンなって」。5回降板した7月13日楽天戦では「肩がぐしゃっといった」。体は悲鳴を上げたが、支えたのはエースの意地。2年目木下や新人吉川に助言や指導と若手の兄貴分にもなった。

 私生活でも周囲に影響を与えた。8月に入り、たばこをやめた。「どこまでいけるか試そうと思った。ホンマにヘビーやったけど意外と簡単やった」。マネしてやめた先輩も。体重増加に飲んでいたビールも「胃腸が弱いので」とやめ、同じように若手が続いた。

 リーグトップの12完投、奪三振210、投球回数207と2/3。防御率1・82(2位)15勝(3位)と記録が並ぶが、規定回数到達でダントツの被打率1割5分6厘に最も胸を張る。「それだけ(相手を)苦しめているということ」。リーグMVPの有力候補。球団初の沢村賞も筆頭候補に違いない。

 かつては自らを「問題児」と冗談交じりに言ったこともあるが、公私ともにカリスマになった。女優サエコとの婚約を、前代未聞のお立ち台発表で驚かせた。「野球にメンタルなんか関係ないと思うし、技だけだと思う。根性論なんか、わけわからん」。独自の世界観を持つ新時代のエースが、パ・リーグに君臨した。【村上秀明】

[2007年9月30日9時59分 紙面から]

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