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古田復帰約束「また会いましょう」
<ヤクルト3-6広島>◇7日◇神宮
「また会いましょう」。ヤクルト古田敦也兼任監督(42)が7日、神宮の夜空を舞い、ファンに復帰を約束して球場を去った。今季の神宮最終戦となった広島戦に「5番・捕手」で4月19日横浜戦以来、今季3度目の先発出場。4打数無安打も最後までマスクをかぶり、両親や夫人、3万3027人のファンに最後の勇姿をみせた。引退試合後、セレモニーで感謝の言葉を述べ、再会を約束。ナインの手でホームベース上で胴上げされた。
目はもう潤んでいた。石川、木田、石井一…まな弟子たちのリレーの最後、9回を締めた高津に背中をたたかれると、古田監督はもうこらえきれなかった。「高津が余計なことをするからドキっとした。泣かずに終わろうと思ってたんだけど、真中が先に泣いてた…」。ベンチに戻って腰かけると、万感の思いが涙をあふれさせた。
退場した4月19日横浜戦以来の先発マスクを最後までかぶった。2回の第1打席。右飛で走者を進めるチーム打撃でスタンドを沸かせる。8回には、広島ベンチの計らいで佐々岡が登場。6日に引退試合を終えていた18年目の入団同期と、最後の打席で対戦した。「一生懸命投げるんで打ってくださいと言われたけど、打てなかった。最後にいい投手とできた。一生忘れない」。遊ゴロに倒れたが、対戦後、佐々岡に花束を渡した。
神宮球場のスタンドは、緑に染まった。監督就任時から、夢に見た光景が目の前に広がった。「球場を好きな色で染めたい」。引退試合で唯一、球団にリクエストした。今季最多3万3027人。立ち見まで出た大観衆は、打席に入る古田に、入場時に配られた緑色のボードを一斉に掲げた。敵チームのファンが半分以上を占めることも多い神宮で、求めていた一体感。最後の最後に実現でき、何度も目に焼き付けた。
引退セレモニーでは時折、声を詰まらせながら「ありがとう」の言葉を8度繰り返した。「何度も心が折れそうになったり、弱気になったこともあったけど、皆さんの声に支えられました」。試合に敗れ、チームは最下位に転落。残り2戦を勝たないと5位に浮上できない。初回には2盗塁され、二塁送球はいずれもワンバウンド。全盛期の面影はなかった。誰にも言えない肩の痛み、チームの低迷…。それでも声援を力に変え、何度も立ち上がることができた。
ファンに支えられた18年。神宮にも愛された守り神を、もう見ることはできなくなる。打って守れる捕手、初のストライキを決行した選手会長、そして29年ぶりの兼任監督。チームの、球界のトップに立って走り続けた革命児は、最後にこう述べた。「18年間、本当にありがとうごまいました。また、また会いましょう」。ファンに誓い、笑顔で神宮の夜空を5度舞った。古田敦也は、きっと帰ってくる。【柴田猛夫】
[2007年10月8日9時14分 紙面から]
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