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山井8回24人パーフェクト/日本S

2回表日本ハム無死、セギノールを三振に仕留め、ほえる山井(撮影・浅見桂子)
2回表日本ハム無死、セギノールを三振に仕留め、ほえる山井(撮影・浅見桂子)

<日本シリーズ:中日1-0日本ハム>◇第5戦◇1日◇ナゴヤドーム

 1人での完全試合を逃した悔いはない。中日の山井大介投手(29)が8回終了後に降板するまで日本ハムをパーフェクトに抑える日本シリーズ新記録で、史上最長ブランクとなる53年ぶりの日本一を呼び込んだ。9回に守護神岩瀬にマウンドを譲ったが、笑顔で歓喜の瞬間を迎えた。クライマックスシリーズでは右肩痛などもあり登板機会がなかったが、大一番で最高の投球を見せた。

 奇跡のような山井のピッチングだった。中24日で今季のポストシーズン初登板だったが、得意の2種類のスライダーで相手を手玉にとった。三振6、内野ゴロ12、内野フライ2、外野フライ4と打者24人をパーフェクト。「相手がダルビッシュだから3点以内に抑えたいと思った。最高です。出来過ぎです。ここまでできるとは想像していなかった」。04年の日本シリーズで勝利を挙げているが、プロ6年で通算17勝。アマ時代を含めて無安打無得点試合の経験もない男が、出場全イニング無安打8回のシリーズ記録を作った。

 9回、マウンドには向かわず、自分の名前を絶叫するファンの声を聞きながら、静かにベンチに腰かけた。「最後は岩瀬さんに投げてほしかった。僕の方から『代わります』と言った」。日本シリーズ初の1人での完全試合は逃したが、さわやかに言った。

 エースの助けがあった。昨季は右肩痛で登板なし。2月のキャンプでも回復せず今季も開幕を2軍で迎えた。ファームの拠点ナゴヤ球場で調整の日々…。遠征に帯同せずに名古屋で調整していた川上がいた。ある日突然、声をかけられた。「ちょっと行こうか」。

 2人きりで屋内練習場にこもった。同じ右肩痛に悩んできたエースから、負担がかからない投げ方のレッスンを受けた。体重移動、左足の踏み出し、股(こ)関節の使い方。川上は「痛くなるような投げ方をしていたから、言いました」。山井は「春先までの痛みは何だったのか。一番感謝しているのは憲伸さん」。7月からローテに入って今季は6勝を挙げて、復活した。

 しかしCS期間に右肩痛が再発した。投げたくても投げられない日々。ただチーム戦略に従って、投げられるふりのカムフラージュ役を引き受けた。「ダミーとかせなあかんなと思ってました」。相手チームは「いつ山井が来るのか」と疑心暗鬼になった。

 そして臨んだ日本一決定試合。落合監督も「今日の山井は完ぺきだった」とうなった。球史に残る快挙は逃したが、8回パーフェクトで“途中交代”という記録は永遠に記憶に残る。【益田一弘】

[2007年11月2日9時33分 紙面から]

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