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稲尾さん告別式1500人の前で王監督が弔辞
- 遺影に向かって弔辞を読むソフトバンクの王監督(代表撮影)
ホークスが鉄腕の遺志を引き継ぐ。元西鉄の投手で13日に死去した稲尾和久氏(享年70)の告別式が22日、福岡市中央区の積善社福岡斎場で営まれ、約1500人の参列者が伝説の右腕に別れを告げた。「突然の訃報(ふほう)は今でも信じることができません」と涙をこらえながら弔辞を読んだソフトバンク王貞治監督(67)は、九州の野球界発展を遺影に誓った。まずは来季、V奪回を報告する。
白いバラ3500本で埋め尽くされた祭壇で、稲尾氏は写真の中から笑いかけていた。王監督は遺影を何度も見上げながら、約1500人の参列者の前で弔辞を読んだ。
王監督「航空会社の招待旅行で、あなたと野村さん、長嶋さんと私の4人でヨーロッパに行きましたね。みんなで豪快にお酒を飲んだり、買い物に出掛けたりしたことが、終生忘れることのできない最高の思い出としてよみがえってきます」。
式の冒頭には野球人生をつづった映像が7分間流された。10月に完成した稲尾記念球場(別府市)での投球後に「アイテテ…」と苦笑いした鉄腕の望みは、野球熱の高まりだった。
そんな故人の遺志を引き継ぐ決意を弔辞の中に込めた。「自分のことより西鉄ライオンズのことを考え、野球界の将来を憂い、野球界に殉じた稲尾さん。残された私たちはあなたの遺志を引き継ぎ、今まで以上に野球界を盛り上げていくため、力を惜しまず取り組んでまいります」。
式が終わると、その思いを自ら言い聞かせるように口を開いた。「『あいつらに任せて良かった』と思われるよう頑張りたい」。自らラストシーズンと位置付ける08年。墓前に吉報を届けるつもりだ。【押谷謙爾】
[2007年11月23日10時3分 紙面から]
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