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中田翔「動ける最強デブ」目指す
- 大阪桐蔭での始動で守備練習に汗を流す中田(撮影・黒川智章)
動ける最強のデブになります。日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔外野手(18=大阪桐蔭)が5日、大阪府大東市の同校グラウンドで始動した。梨田昌孝監督(54)の減量指令にもびくともせず、昨年末と変わらない100キロの体でティー打撃では69スイングの力強い初打ちをした。どっしりと肝が据わった怪物ルーキーが、パワフルでスピーディーなプレーを目指す。
男は外見よりも中身です。高校最多といわれる通算87本塁打を放った中田が、182センチの巨体を揺すらせて始動した。「(体重は)そんなに落としたくない。今の状態より若干落としたくらいがベストかなぁ。キレをつけていきたいですね。デブで動けたら最強だと思っています」。目指すはパワーとスピードを兼ね備えたオールマイティーなプレーヤーだ。
ランニングとキャッチボールを終えると、ストレッチと外野のポール間ダッシュを繰り返した。「いい汗がかけました」。最強の座につくため、体にキレを出すためのメニューだった。
年末年始は家族とともに山口県内の温泉に出掛けた。バットを持参し、旅館の周囲をランニングして体を休めることはなかったが、体重は昨年末と変わらず100キロを切ることはなかった。昨年12月10日の入団会見で初対面した梨田監督から、79キロだった高校1年のころの体に戻すことを勧められていた。だが、中田は「あのときとはスイングの速さもパワーも違うと思うし…。あそこまで落としたらプロの世界では通用しないと思う」と、ウエートだけに固執することなく、現在の体にスピードをプラスすることを心がける。
この日、同じグラウンドに姿を見せた大阪桐蔭の先輩「おかわり君」こと中村(西武=175センチ、102キロ)も「自分の体と相談しながらやればいい。合同自主トレもきついと思うし、自然と絞れてくるのではないか」と後押しした。
もちろんパワーは健在だ。ティー打撃では左打ち、右打ち、片手打ちと変化させながら69スイング。室内練習場には快音が響き渡り、近くで筋力トレーニングをしていた下級生が手を止めて見入った。「思っていたより(球を)とらえることができた」と、中田も初打ちの感触に納得の表情を浮かべた。清原は1年目に31本の本塁打を放った。「近づけるように挑戦したい。超えられるなら超えたい」。舌もなめらかに、番長超え宣言も飛び出した。
防府市の防府天満宮を訪れた初詣ででは、家族の健康とともに新人王のタイトルを祈願した。「1年目が肝心だと思っています。早く慣れることが1番。先輩たちに自分から質問していって、いろいろ教えてもらいたい」。最強のデブが押しまくる。【本間翼】
[2008年1月6日9時11分 紙面から]
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