野球

マー君初ブルペンで絶好調スタート

ブルペン入りし、捕手を立たせたまま30球を投げ込んだ楽天の田中（撮影・宇治久裕）

　マー君の２年目に死角なし－。昨季のパ・リーグ新人王、楽天田中将大投手（１９）が８日、兵庫・伊丹市内のグラウンドで、０８年初めてブルペンに入り、３０球投げ込んだ。「自分でもびっくりするくらい良かった」と２年目のジンクスなど感じさせない、いきなりの絶好調だ。１１月１日には２０歳になるため、日本シリーズで勝てば「ビールかけができる」と日本一を目標に定めた。

　体中からあふれた熱気が、白い湯気となって立ち上った。１球ごとに田中のボールがミットをたたく音が大きくなった。「初めて（ブルペンで）投げたんですけど、自分でもびっくりするくらい良かった」。４日に始動してからわずか５日目での初ブルペン。わずか３０球で好調ぶりを見せつけた。中学時代から田中を見続けている宝塚ボーイズ奥村幸治監督（３５）も「去年より今年の方が全然いい。１４０キロくらいは出ていた。体ができてくれば、もっと速くなる」と目を丸くした。

　昨季はルーキーながら先発ローテを守り、球団史上初となる２ケタの１１勝。残した結果が、自信とたくましさをもたらした。「１年間やってきたので、去年に比べれば不安はありません。どういう要領でやればいいかも分かっています」と落ち着いたもの。昨年末には有銘、朝井らとともにオーバーホールで体を休め、北海道で高校時代の仲間との時間も楽しんだ。心身ともに充実したオフも新年の好スタートを後押しした。

　今年は野球以外の“大人”の楽しみもある。１１月１日は田中の２０回目の誕生日。１１月１日からは日本シリーズがある。成人になればビールかけに参加できる。「それなら日本一になればできますね」。岩隈とともに野村監督から今季のキーマンに指名されている田中はニヤリと笑った。

　開幕からスタートダッシュを決めれば、北京五輪への道も近づいてくる。「正直、まだそこまでの選手じゃない」と前置きしながらも「シーズンで成績を残して呼ばれるのであれば、その中で考えたい」と意欲も見せた。高校時代の北の怪物から、楽天の顔。そして日本代表へ。まだあどけない笑顔を見せる田中の２年目がいよいよ始まった。【小松正明】

［2008年1月9日9時20分　紙面から］

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