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投手中田ブルペンで53球、最速142キロも
- ブルペンで投球する中田(撮影・黒川智章)
投手中田誕生!? 日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が15日、全体練習終了後に電撃ブルペン入りした。梨田昌孝監督(54)を相手にカーブ、スライダー、パームと持ち球全球種を投げた。さらにブルペン捕手相手には最速142キロもマークし、満面の笑み。3番一塁での出場が濃厚な対外試合2戦目の16日の阪神戦(宜野座)を前に、気分転換を狙った同監督のアイデアが見事にはまった。
怪物の目が1球ごとに輝きを増していった。カーブ、スライダー、パームと全球種を駆使して53球。「気持ちよかったです。まっすぐとカーブは高校のときより(キレが)落ちていたけど、スライダーはよかった」と白い歯を見せた。全体練習終了直前、梨田監督から提案された。「投げてみたいなと思った」と即決。昨年7月30日の大阪大会決勝以来、プロでは初のマウンドだった。
梨田監督を相手に立ち投げで11球をこなすと、座らせてさらに10球。「どっしりしていて投げやすかったっす」。相手が中山ブルペン捕手に代わるとモードが上がった。木村スカウトを打席に立たせた仮想対決では“2者連続三振”を奪い、最速は142キロをマークした。「スライダーはプロでも通用する。ボールの回転も悪くなかった」と梨田監督が言えば、吉井投手コーチも「球が速く資質がある。投手として入団していても1軍キャンプに入ったのではないか」と絶賛した。
一方で、初めて「投手中田」を見た梨田監督は「二刀流は難しいんだろうな。そんな簡単なものじゃない。何かのときのために練習しておけばいい。いきなり(の投手起用)だと他球団にも失礼になる」と言った。含みこそ残したが、冷静に描いていたプランを封印した。
この日の登板は梨田監督の親心。「気分転換が主。中だるみで新しい刺激が欲しかっただろう」。今後は「ニンジンをぶら下げます」と、打撃や守備の調子がいい際の“ご褒美”として投げさせる方針だ。
中田は「『投げろ』と言われれば投げたい気もする。でも、あらためてピッチャーはしんどいと思った」と晴れやかな顔で言った。ストレス発散作戦は大成功だった。16日は阪神戦。「全力でやるしかないっす」。10日の対外試合初戦(阪神戦)の場外デビュー弾に続き、バットで本領を発揮する準備は整った。【本間翼】
[2008年2月16日9時42分 紙面から]
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