中日が、将来性豊かな高校生左腕コンビをドラフト1、2位で指名した。6球団が競合した花巻東・菊池をクジで外したものの、智弁和歌山・岡田俊哉投手(3年)を外れ1位で指名。今夏の甲子園を沸かせた最速144キロ左腕は、山本昌や岩瀬ら名だたる左腕に弟子入りし「将来はエースと言われる投手になりたい」と力強く宣言した。2位は千葉英和・小川竜也投手(3年)も最速143キロの逸材だ。中日は、育成枠も含め10人を指名した。
岡田は中日外れ1位の知らせをインターネット速報で知った。学校関係者が数秒単位でパソコンをクリック。リアルタイムより数分遅れだったが、画面に「中日・岡田俊哉」と表示されると「すごくうれしい」と心からの笑顔が弾けた。
中日の高い評価は新聞などで知り、菊池を外した場合の「予感はあった」という。そして何より「若い投手がよく投げているし、チャンスだと思う」と意中の球団だった。名古屋に行くのは生まれて初めて。落合監督については「厳しい方という印象です」とはにかんだ。だが大きいのは「不安よりも楽しみ」。豪快なマウンド度胸同様、早くも大きな野望を描いていた。
「うまくいけば1年目から活躍したいけど(体をつくって)2、3年後に勝負したい。そして将来はエースと言われる投手になりたい。チームを任せてもらえる投手になりたいです」。
将来の竜投を背負って立つ。大黒柱になって常勝中日の顔になる。堂々のエース襲名予告だった。そのためには貪欲(どんよく)に学んで吸収する。中日には山本昌を筆頭に、フォームが似ていると言われる岩瀬ら、最高の手本となる先輩左腕がいる。「積極的に話を聞きたい。目でもたくさん見て盗みたいです」。入団が決まれば弟子入りし、教えを請うつもりだ。
高嶋仁監督(63)も「今まで私が見てきた投手ではナンバーワン。高塚も良かったけど、のびしろがあるのは岡田。ローテ入りして200勝を目指してほしい」と期待は大きい。最速は144キロ。「でも体ができればあと5、6キロは球速が増す」と、150キロが出せる素材と見込んでいる。
入学当初は130キロ台。この夏急成長できたのは、清峰今村の存在が大きかったという。岡田は今センバツ決勝の清峰VS花巻東戦をチームメートと観戦。その時、清峰ベンチ前で見た今村の投球練習で「目が覚めた」という。「今村君はゆったりしたフォームでフィニッシュだけ指先に力を入れていた。僕は力任せに投げていたので、これだと思いました。彼との出会いがあって成長できた」。プロの道に通じる大きなヒントをくれた友に感謝は尽きない。同リーグの広島に入った今村と「投げ合う日が楽しみ」と心を躍らせた。
“プロ1枚目”の色紙には「1日でも早く1軍へ」と記した。和歌山の星から竜のエースへ。岡田の壮大な挑戦が始まった。【松井清員】




