背番号「11」プランが浮上だ!

 中日から1位指名を受けた智弁和歌山・岡田俊哉投手(17)が10月31日、和歌山市内の同校で球団側の指名あいさつを受けた。中田スカウト部長は「可能性がある」と検討していることを明言した。背番号「11」は昨年までエースとして活躍した川上憲伸投手(34=現ブレーブス)がつけたナンバー。高校屈指の左腕は「憲伸級」の期待を背負った。

 花巻東・菊池に次ぐ高校屈指の左腕、岡田にふさわしい番号として「11」が浮上した。中田スカウト部長は米村スカウトとともに指名あいさつに臨み「憲伸級」の評価をしていることを明かした。

 「コントロールに加えて、肩の可動域の広さ、球持ちも良い。だれかに教えられても出来ないところだからね。彼の場合は技術的な問題もない。背番号11?

 そういう意見もありますよ。個人的には体が出来上がってからのほうが良いとは思うが、器としては文句ない」。

 中日のエース番号といえば背番号20が有名だが、11も匹敵するほどの高い評価を表す。言わずと知れた、エース川上(現ブレーブス)が昨年まで背負っていた番号。97年にドラフト1位で中日に入団し、08年まで11年間で112勝を挙げた。04、06年には最多勝のタイトルを獲得。今季は川上への敬意もあって空き番となっていた。

 古くは別所(巨人など)、村山(阪神)、近年では斎藤雅(巨人)、野茂(近鉄など)、現役ではダルビッシュ(日本ハム)岸(西武)由規(ヤクルト)ら、今や球界では高い期待を表す番号として定着しつつある。もっとも岡田は、背番号には無関心だ。

 「背番号?

 何番でもいいです。与えられた番号で頑張ります。これからもっと野球漬けになると思うが、苦にならないと思う。1年目から飛ばすんじゃなく、慌てずにけがをしない体を作りたい。長く1軍のマウンドで立てるようになりたい」。

 昨年は高卒ルーキーの右腕伊藤が同じく球界のエース級ナンバー背番号「18」を与えられている。その期待に応えるように、伊藤はシーズン終盤にプロ初登板を果たした。先日のクライマックスシリーズ(CS)の巨人4戦目にも登板。球団史上初めて10代選手がCSに出場し、1イニングを無失点に抑えた。

 新人選手が何番を背負うかは今後の調整によって決められるが、背番号「18」伊藤と背番号「11」岡田が、ともに竜投を支える日が近い将来やってくるかもしれない。【桝井聡】