広島から育成ドラフト1位指名を受けた龍谷大・永川光浩投手(22=三次)が5日、滋賀・大津市内のホテルで仮契約を済ませた。兄勝浩(28)はカープの守護神で、先発を希望する弟は夢の兄弟リレーを将来の目標に掲げた。大学4年春にリーグ戦初登板した晩成型左腕だが、担当の宮本洋二郎スカウト部付部長は「直球のキレは(阪神2位の)立命大・藤原と同等」と素材を高く評価した。支度金は300万円、年俸350万円。(金額は推定)

 身長188センチながら体重78キロの細身左腕。永川は、向こう意気の強い兄勝浩とは対照的に、雰囲気だけなら優しげな今風に言えば「草食男子」。それでも言葉には力強さがあった。

 「できれば先発をして、兄がセーブという展開になれば。1年目から支配下に入る気持ちでいきます」。この日、仮契約を済ませると、その足で友人が働くホルモン焼屋へ行き、宮本スカウト部長と会食した。スライダー、カーブ、フォークの球種を持ち、武器は最速142キロの直球。「キレで勝負したいんで、ええ、一番自信ありますね」と言うと、ニヤリと笑った。

 口先だけではない。既にプロで勝ち抜くべく「増量作戦」を敢行中だ。もともと食べても太らない体質だが、ご飯を2杯から4杯に倍増させ、夏場の75キロから3キロ増やし78キロ。体力強化、球速アップを目指し、効果的な筋トレ法も勉強している。兄勝浩からのアドバイスは「まだない」というが、兄からフォークを盗むつもりでもいる。

 優男なルックスでも、心は熱く、かつ冷静だ。宮本スカウトも「兄貴は豪快だけど、彼は繊細。考える力は兄貴より上」と見る。永川は大学2年秋からベンチ入りしたものの肩、ひじを痛め、4年春にリーグ戦初登板。宮本スカウトは、今年5月の練習時に見た投球よりも、秋季リーグ戦でのマウンドの方が格段に良く、ほれ直したという。「直球の角度、スライダーのキレが抜群。実戦向き。先発して兄貴につなぐ、そういう夢を持っている」と話すと、永川の背中を大きくポンとたたいていた。【村上久美子】