2010年9月24日
ドラフト注目選手・山田哲人(履正社)
甲子園で本塁打を放った履正・山田哲人内野手
先輩をもじった「T-山田」というニックネームがすっかり定着した。初めて出場した大舞台で、高校NO・1内野手の実力を見事にアピールした。
初戦の天理戦で3打数2安打。1回の守りでいきなりエラーして心配させたが、引きずることなく活躍した。続く3回戦の聖光学院戦でも3打数2安打。6回には高校通算31号となる同点2ランを放った。聖光学院の好投手、歳内の投じたストレート。プロでも難しいとされるインハイ直球を持ち前のスイングスピードの速さで左翼席まで飛ばしてみせた。
豪快な打撃に加え、山田の最大の魅力がスピードだ。中学時代に100メートルを11秒5で走り、50メートルは5秒8で駆け抜ける。西武中島のようなパワーとスピードを兼ね備えた大型内野手に成長する可能性を秘めている。
プロの評価も甲子園でまた1つ上がった。巨人山下スカウト部長は「足が速くて、ミート力がある。今年の内野手では大学、社会人を含めてもNO・1。2~3位以内でいなくなるのでは」と絶賛。日本ハム山田GMも「今年の高校生の内野手では一番いいですね。バッティングがシャープで、守りもいい」と評価した。
この春、希望進路を進学からプロに切り替えた。将来の夢は「有名人になること」。小学6年生の時、野茂英雄氏の主催する「NOMO CUP」に出場した。「ボクも野茂さんみたいに日本のプロ野球選手になってからメジャーに行きたい」(日刊スポーツに掲載された当時のコメント)。プロ野球選手になるという最初の目標が、もうすぐ達成されようとしている。【福田豊】
◆山田哲人(やまだ・てつと)1992年(平4)7月16日、兵庫県宝塚市生まれ。すみれケ丘小2年から野球を始める。履正社では1年夏から背番号16でベンチ入りし、2年春から正二塁手。同秋から正遊撃手。家族は両親と姉、祖父母。趣味は映画鑑賞、特技は空手、サッカー、水泳。180センチ、73キロ。右投げ右打ち。
- 小関順二(こせき・じゅんじ)
- 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
- 矢島彩(やじま・あや)
- 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
- 福田豊(ふくだ・ゆたか)
- 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。
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