<東京6大学野球:法大4-2早大>◇第1週初日◇11日◇神宮

 早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)が、初の大台となる最速150キロをマークしたが敗れた。秋季リーグ戦の開幕戦に先発し、5回2奪三振4失点。11球団スカウトの前で、リーグ戦通算13敗目(27勝)を喫した。

 2回無死、斎藤が5番土井に投じた4球目だった。外角高めの直球で見逃し三振に切ると、神宮バックスクリーンに150キロの数字が光った。思わず口元が緩む。早実3年夏の西東京大会決勝でマークした149キロを、1504日ぶりに更新。超えられなかった壁を、ようやく超えた。

 入学時から150キロを目標と公言した。「1キロの壁が大きいんです。1球でも出せば150キロ右腕と言われる」と追い求めた。それでも5回4失点で敗れ、7度目の開幕投手で初黒星を喫した。1回から140キロ台後半の直球で飛ばしたが、2回に先制ソロを浴びると、4回は四球から3安打で3失点。通算300三振には4個届かず、勝ち星も27勝で足踏みした。

 試合後は体調不良の応武篤良監督(52)を含めて、早大側の意向で選手は会見に現れなかった。鈴木勝夫理事(71)は「監督は夏の疲労がきたのか、ぼうこう炎になって歩けません。選手は監督の判断。申し訳ありません」と説明した。

 ドラフト会議は、46日後に迫る。斎藤の1位指名を公言するロッテは瀬戸山球団社長が初視察。巨人、阪神、西武、日本ハム、楽天などもスカウト部門の責任者がそろった。瀬戸山社長は「あらためて超一流の素材と感じた。ローテーションの柱として期待してます」とラブコールを送った。【前田祐輔】