<東都大学野球:中大4-0国士舘大>◇第4週初日◇1日◇神宮

 中大のエース沢村拓一投手(4年=佐野日大)が国士舘大を完封し、チームを単独首位に押し上げた。8安打されながら要所を締め、亜大戦に続く2試合連続完封した。もっとも奪三振は6。最速も156キロ止まりで、沢村に笑顔はなかった。中大は5連勝(1敗1分け)とし、勝率差で単独首位に立った。

 2試合連続完封というのに、中大・沢村は納得してはいなかった。「何もしていません。点をとってくれたんで勝てた。完封?

 興味ないです」と自らの投球に不満をもらした。亜大戦(9月21日)の完封後「ヨシ、ヨシ、ヨシ」と大声をあげベンチを出たエースとは別人だった。「力んでコントロールがアバウト。プロ(の打者)ならつかまります」と付け加えた。

 被安打8、奪三振は6止まりだった。1回に最速156キロをマークしたが、スライダー、フォークなど変化球が抜け、制球がままならない。「修正しようとしてできなかった」。本来なら28日に予定された試合だった。雨天順延に、東京6大学の日程にも左右されてずれ込んだ。「アップから重かった。体重移動がうまくいかない。軸がブレる。下(下半身)を使えばいいのに、使えなかった」と反省の弁が続いた。

 高橋善正監督(66)の評価も「亜大戦が10なら6ぐらい。いいボールは2、3球しかなかったな」。それでも得点は許さず、チームの5連勝を導いた。勝ち点は2のままながら、これで勝率で他校を上回りトップに立った。「単独首位?

 先は見ずに1戦1戦やっていきたい」。沢村は終始厳しい表情で、言い聞かせるように話した。【米谷輝昭】