大学生が豊作と言われるプロ野球ドラフト会議が、28日に行われる。東北学院大(仙台6大学)のエース阿部博文(4年=宮城・利府)は、22日に開幕する明治神宮野球大会東北地区大学代表決定戦で最終アピールに意気込む。

 今秋リーグで歴代1位タイの通算33勝をマーク。だが、最終節初戦で東北福祉大に逆転負けし、優勝を逃した。開催地枠(リーグ2位)で出場する代表決定戦前に、阿部はすでにセ、パ5球団に調査票を提出。「4位でも5位でも指名してもらえれば、どこへでもいきたい」とプロ指名を心待ちにしている。

 東北学院大では06年度卒の岸孝之(25=西武)以来4人目のプロ指名を待つ。利府高時代は2番手投手で無名の存在。大学入学後から頭角を現した。最速145キロ。ドラフト候補にまで成長した阿部は「岸さんがいたから注目された。大きすぎる存在ですが、学院大からもプロに行けると思って、励みになりました」と振り返る。

 2人兄弟だったが04年、3歳年上の兄嘉大(ひろき)さん(享年19)が交通事故で他界。兄にあこがれて中野小時代に野球を始め、中野中、利府高と同じ道を歩んだ阿部は「打撃を教わった。兄貴の分も頑張りたい。指名してくれれば伸びしろはあると思う」と自己アピール。恩師の菅井徳雄監督(53)も「(伸びしろは)私も保証する」と折り紙をつけた。【佐々木雄高】