プロ野球ドラフト会議が28日、都内のホテルで開催された。

 楽天星野仙一新監督(63)がみちのくNO・1左腕を引き当てた。6球団が競合した大石は左手で一番下の茶封筒を引いたが、惜しくも外れ。「ウチは左投手が少ない。左ならこの子、と目を付けていた」と、八戸大・塩見貴洋投手(4年=帝京五)を指名した。ヤクルト小川監督との一騎打ち。今度は右手で、上の封筒を引いた。交渉権確定を確認すると小さく、力強いガッツポーズ。「くじも久しぶりで…。緊張するなぁ」としびれる空気を思い出し、「80点くらいはつけられるのでは」と満足そうだった。

 前日の就任会見で「本当の意味で東北の人たちに愛されるチームをつくる」と掲げた。星野1期生にふさわしい大型左腕を引き当てた。「そういう意味でぴったりの選手。ビデオで見たが、背が高くてね。左のローテーションに入ってほしいね」。鍛えがいある素材を歓迎し「時間が合ったら、直接会いに行きたいね」と続けた。

 ドラフト会場の主役を演じた。指名に向かう通路では巨人原監督とバッタリ。「お久しぶりです。ようこそ!」と抱きつかれ歓迎された。他球団の監督も次々とあいさつに訪れ、握手で健闘を誓い合った。「くじはいやだねぇ。明日はわが身、か」と抽選に苦しんだオリックス岡田監督に配慮したが、顔つきはしびれる舞台を満喫しているいい笑顔。闘将が勝負の舞台に戻ってきた。【宮下敬至】