阪神1位の東京ガス・榎田大樹投手(24=福岡大)は、早大・大石へのライバル意識をむき出しにした。大石の外れ1位となったことに「大学生に負けないように、社会人のレベルの高さを見せたい」とキッパリ言った。

 社会人NO・1左腕としての実力は折り紙付きだ。入社1年目の昨年の都市対抗野球では、新人王に当たる若獅子賞を受賞した。最速146キロのキレのある直球と、5種類の変化球を操る。福岡大時代に元ダイエーの渡辺正和コーチから教わったというスクリューボールとスライダー、カットボールを「コースに投げ分ける自信がある」と力を込めた。

 屈強な下半身が安定した投球の源だ。お尻周りは106センチ、太ももは女性のウエストほどの64センチ。大学4年の夏につくった作業着は、入社までの半年間の下半身強化によってサイズが合わなくなり、かがめなくなった。福岡大時代、自動車やバイクでなく、マウンテンバイクを足がわりにしていたことも奏功した。下で粘れるため、腕が遅れて出てきて球の出所が見づらいのが特徴だ。

 早くも甲子園での登板を早くもイメージした。「あの熱狂的な応援はすごい。活躍すれば良い声援をもらえると思う。悪かったら、何か言われることもあるかもしれないけど、まずは一生懸命やりたい」。指名を受けた後、ドラフト会場から駆けつけた阪神真弓監督のあいさつを受けた。「すぐに来てもらって光栄。プロという世界が近づいてきたなと。野球に集中できる環境をつくりたい」と目を輝かせた。