先発、リリーフ、どこでもやります!

 広島ドラフト3位の大阪ガス岩見優輝投手(23=亜大)が10月31日、社会人野球日本選手権の日本通運との1回戦(わかさスタジアム京都)にドラフト会議後初登板した。西武の同2位牧田和久投手(25=平成国際大)とプロ入り前の“前哨戦”で投げ合い、8回途中3失点で降板し、チームも敗れたが、最速146キロの速球に変化球をまじえ即戦力ぶりをアピール。プロでは先発、救援を問わずフル回転する覚悟を示した。

 社会人での悔しさを、プロで晴らす。広島入りした際に先発をやりたいかと問われると、岩見は「どこでも、首脳陣の方の言われるところでやります」と言い切った。先発、リリーフは問わずにフル回転する。ピッチング同様、強気な姿勢と自信がかいま見えた。

 8回1死3失点で降板し、チームも敗れたが、実戦派ぶりを見せつけた。西武2位指名の牧田との投げ合い。立ち上がりから飛ばした。最速146キロのストレートに、フォークやチェンジアップを駆使。3回には3者連続三振に切って取った。牧田も8回途中3失点で降板し“前哨戦”は痛み分けに終わった。それでも1/3イニングだけ先に降りたことを悔しがり「牧田さんより先に降りたくなかったんですが…」と話した。

 見守った広島のスカウト陣はほれ直した。川端編成グループ長は「ものおじせず、相手を打ち取れる投球ができる。カウントを取れる変化球もあるし、ウイニングショットも持っている。うちには少ないタイプの投手」と期待を込めた。

 宮崎・日南で秋季キャンプ中の大野投手チーフコーチは「見てみないと分からない」と起用法についてはプロ入り後に見定める方針。今季、投手陣は前田健太(22)以外は先発も不安定で、救援陣は打ち込まれるシーンが目立った。岩見は「広島には前田健投手という素晴らしいピッチャーもいる。球種とか、見て盗みたい」と早くもプロ入り後の姿を思い描く。実戦派左腕の加入で、コイの投手陣は確実に層が厚くなる。【高垣誠】