鮮烈な虎デビューだ!

 阪神ドラフト1位の東京ガス・榎田大樹投手(24=福岡大)が3日、アジア大会日本代表として、三菱重工長崎戦(長崎ビッグN)との壮行試合に救援登板。指名後初の実戦で2回を1安打、3三振、無失点に抑えた。果敢な内角攻めで2死球を与えたが、これも強心臓の表れ。来季先発ローテ入りに向け、即戦力ぶりを見せつけた。

 並のハートではない。死球をぶつけても、榎田の顔に動揺の色はなかった。3点リードの6回だ。1安打&盗塁、死球から招いた2死二、三塁のピンチ。初球、139キロ直球が4番の足に直撃したが、動じない。2死満塁から5番を難なく空振り三振に仕留め、役目を終えた。

 榎田

 1死二、三塁だったので死球でもいいぐらいに思っていました。中に入ったら良い打者には持って行かれる。ここは当ててもいい、ぐらいの気持ちで投げる時もあります。

 日本代表のユニホームに身を包み、ドラフト後初、10月23日の招待試合・富士重工戦以来の実戦登板。アジア大会に向けて国際球を初使用し、違和感を感じさせなかった。5回はこの日最速の143キロを計測して3者凡退。2イニング目の6回は強心臓を披露した。2回35球を投げ、3奪三振2死球の1安打無失点。右打者の内角を果敢に突き、榎田スタイルをアピールした。セ界には巨人ラミレス、中日和田ら右の強打者がズラリとそろう。もちろん、虎でも信念は曲げない。

 榎田

 自分は真っすぐのスピードがないから内を攻めないと。インを攻めないと外のカット、スクリューを使えない。厳しくいかないといけないと思う。

 フォーム、投球スタイルは元巨人のメッツ高橋にそっくりで「よく似てると言われます」。ソフトバンク杉内に和田、中日山本昌にロッテ成瀬…。プロのお手本をテレビで目に焼きつけ、巧みな投球術に磨きをかける。さらにハートも強いとくれば、期待は高まるばかりだ。アジア大会で金メダルを勝ち取り、ローテ争いに参戦へ。目標は明確だ。【佐井陽介】