<アジア大会壮行試合:日本代表-三菱重工長崎>◇6日◇長崎ビッグN

 頼もしいやっちゃ!

 阪神ドラフト1位指名、東京ガス・榎田大樹投手(24=福岡大)が8日、アジア大会代表合宿でソフトバンクを2回完全、3奪三振でピシャリ。プロ相手にも左腕は、得意のスクリューボールでねじ伏せた。大会本番でも先発ローテ入りが確定。虎入りの手土産に金メダルを狙う!

 どちらが格上か。答えは明らかだった。顔色1つ変えず、テンポよく腕を振る榎田。若鷹軍団のバットはクルクルと空を切る。36球の瞬殺劇は虎ドラ1の完勝だ。風格すら漂わせ、さっそうとマウンドを駆け降りた。

 榎田

 投げていくうちに投球スタイルが基本に近づいていきましたね。

 アジア大会代表合宿の壮行最終戦。相手は福岡大時代に応援したソフトバンク。今合宿初のプロ戦だ。舞台は高校時代に過ごした宮崎のアイビー球場。小林西高3年夏、県大会初戦・宮崎大宮戦に先発し、2失点完投勝利をあげた思い出の場所だった。

 出番は5回。先頭の5番高谷を遊ゴロに仕留め、右打者の6番中西もカウント2-1。磨き続けた武器が光り輝いた。外角低めに124キロスクリューを落とし、空振り三振。1軍経験もある男の目を丸くさせた。

 中西

 (最後は)チェンジアップですかね。良かったです。ボールの回転が真っすぐだから、そう思っていたら、ヒュッと落ちた。投げるテンポも速いし、ポンポン来ましたね。

 この回は3者凡退。6回もあっさり2死を奪い、最後は09年ドラ1の1番今宮をカットボールで空振り三振に仕留めた。2回3奪三振の完全投球。圧巻の凱旋(がいせん)登板だった。

 小さいころのヒーローは福留(カブス)と赤田(オリックス)。同じ鹿児島県大崎町出身の2人だ。日本生命所属の福留が出場したアトランタ五輪は近くの公民館に集まって応援。小学6年時には日南学園高時代の赤田が高校ジャパンのユニホームを着て、町民体育祭に現れたこともある。「あこがれはあった」日の丸を今、背負う。力が入らないはずはない。

 今合宿の壮行試合では計9回を投げ、10奪三振の4安打2死球無失点。小島監督は「片りんを見せたね。大会では予選リーグで先発起用するのは間違いない。その状態を見て準決勝、決勝のスクランブル起用も考える」と明言した。

 ロッテを日本一に導いた金泰均も韓国代表入り。台湾もプロが出場するが、榎田にかかる期待は大きい。

 「良いところ、今現在の力を見せられたらと思います。やるからには金メダルを取りたい」

 虎入りの手土産は、まぶしく輝くメダルと決めている。【佐井陽介】