18番はお預けっ!

 競争して奪え!

 巨人が、10月27日のドラフト会議で1位指名することを公表している東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)に対して、1年目には「背番号18」を用意しない方針であることが26日、分かった。清武英利GMが示唆したもの。今季8勝を挙げているルーキー沢村拓一投手(23)らとの「18番争奪ガチンコバトル」の勝者に栄光の背番号は継承されることになるという。日本野球機構(NPB)はこの日、「2011年

 プロ野球ドラフト会議

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 TOSHIBA」を10月27日午後5時から東京・港区内のグランドプリンスホテル新高輪で行うと発表した。

 運命のドラフト会議まで、ちょうど1カ月。清武GMに、エース候補の背番号について聞くと「いわく言い難し…」と顔をしかめた。まだ、交渉権を獲得しているわけでもなく、他球団へのエチケット上の「言い難し」がまず第一。さらに、栄光の「18番」には、スターへの階段を駆け上がるドラマを準備しているからだった。一呼吸を置いて「沢村らとの競争も、いいと思うしな」とポツリと言った。

 「沢村にも18の資格がある」との声も伝わってくる。「背番号15」のゴールデンルーキーは、1年目から、注目と重圧にも打ち勝って、先発ローテーションを守っている。清武GMは、その沢村らと勝負して、「絶対的エース」と呼ばれるように育った投手に「栄光の18」を授けるドラマを期待していた。桑田氏の退団以来5年間、空き番号になっている「18」は、当面、若き投手が奪い合う「エース手形」として鎮座することになりそうだ。

 「言い難し」と言いながらも、未来のエース候補について想像するのは楽しいもの。清武GMは、いいプランが続々と頭をもたげてくる様子。それでも現実的に、ドラフト1位投手にマッチする10番台から20番台で、空いているのは、18、19、20、21くらい。「沢村の(“先代”沢村栄治の)14と15みたいに、関係のある番号というのもいいよね。出世魚みたいに、番号が良くなっていくのもいい」とも話す。

 有力なのは「20」と「21」だ。沢村が15から3つ増やして18にたどり着くのと同じく、菅野も21から3つ減らして18をゲットする-。そんな設定も、粋なドラマ演出だ。

 原監督の「おい」であることを度外視しても、菅野の大学4年間の足跡は、絶対的エースの証し「背番号18」を受け継ぐのに申し分はない。後は、競合球団が出現しないことを祈りつつ、競合の場合には、来季続投も決まっている原監督のゴッドハンドを期待するのみだ。【金子航】