阪神中村勝広GM(63)が22日、ドラフト1位指名を決めている大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(3年)に、VIP待遇を用意する意向を示した。交渉権を獲得した場合、先発ローテーション確約の可能性が浮上。即戦力として評価している期待の表れだ。

 中村GMは「とれたと決まってないけど」と前置きした上で「観客動員のことも考えないと」と話した。春夏甲子園連覇、国体でも優勝した高校3冠右腕の聖地凱旋(がいせん)登板となれば、虎党でなくとも見たいはず。地元出身のスターを、ドラフト前から先発ローテーションの一員として計算しているのは高評価の証しだ。中村GMは「現場と話してからだけど」と話すにとどめたが、来春の1軍キャンプ参加も確実だ。

 前日21日に花巻東・大谷がメジャー挑戦を公表。藤浪に人気が集中する可能性が浮上した。最大8球団の競合が予想されるが、是が非でも獲得したい逸材だ。

 中村GMは故障防止のため、球数制限を設けるプランも挙げた。「投げられても無理はさせてはいけない」。大リーグでは、10年9月に右肘手術を受けたナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ投手(24)に、今季の投球数を160回程度に制限した例もある。将来、絶対的エースになる右腕を、大切に磨き上げていく環境も整える。

 運命のドラフトまであと2日。VIP待遇で“恋人”を迎え入れる準備は整った。あとは交渉権を獲得する瞬間を待つだけだ。