プロ野球のドラフト会議が、明日25日に行われる。東福岡・森雄大投手(3年)は、甲子園出場の経験がなく、最後の夏も背番号11で終えたが、各球団がドラフト1位候補に挙げる左腕だ。

 東福岡の森は甲子園の土を踏めなかったが、1位候補の評価は変わっていない。「大谷君や藤浪君の直球は速い。実績、技量で負けている。でも、自分は左。左腕でNO・1の真っすぐを投げたい」と力を込める。12球団から調査書が届いており、全球団OKの姿勢でドラフトを待つ。

 184センチからオーバースローで最速148キロの角度ある直球を投げ込む。ソフトバンク福山スカウトは「チェン(オリオールズ)のような左の本格派。力感があって、ロスのないフォーム。スピンが多くてボールがかかる真っすぐの質がいい。プロで体ができてくれば150キロ以上も出ると思います」と、今季メジャー12勝の元中日左腕と似ていると話す。

 体力がついた2年夏に球速が130キロ台後半から145キロに伸び、プロから注目されるようになった。最後の夏の背番号は「11」。春に調子を落としたためだが、初戦には12球団34人のスカウトが集まった。準々決勝の福岡大大濠戦で先発し、左手中指のマメをつぶし2回途中5失点KO。県8強で終わったが、各球団スカウトは「体さえできれば1、2年で出てくる」と口をそろえた。

 森は「夢でなぜか僕がドラフト会場にいたんです。指名されなかったところで、目が覚めました」と話すが、指名は確実。「ビッグ3」に負けない可能性を秘めた金の卵は明日、運命の日を迎える。【石橋隆雄】

 ◆森雄大(もり・ゆうだい)1994年(平6)8月19日、福岡市生まれ。姪浜小4年で野球を始め、内浜中では学校の野球部所属。東福岡では1年からベンチ入り。甲子園出場はなく、3年夏は県8強。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ。好きな選手は西武菊池。184センチ、76キロ。左投げ左打ち。血液型AB。