西武ドラフト1位のNTT西日本・増田達至投手(24=福井工大)が21日、「お化けフォーク」を武器に、新人王を狙うことを誓った。今春からNTT西日本の臨時コーチを務める元オリックスの野田浩司氏からフォークを習得。最速152キロの直球、高速スライダー、カーブに、プロ直伝のウイニングショットが加わった。目標を問われた即戦力右腕は「やるからにはタイトルを取りたい」と新人王獲得に照準を定めた。

 野田氏のフォークといえば、当時ヤクルトの監督だった野村克也氏から「お化け」と評された球界屈指のウイニングショット。95年のロッテ戦では、フォークを武器に、プロ野球記録の1試合19奪三振をマークした。フォークの使い手から受けたアドバイスは「ホームベースを目がけて投げろ」。金言をもとに投げたフォークは「低めに投げられるようになった」と投げた本人も目を丸くさせる軌道を描いた。

 奥薗編成部部長は「一番の魅力は直球。フォークがベールを脱げば、さらに面白いよ」と期待を寄せた。今季は同じ読みのロッテ益田が新人王を獲得。新人記録の72試合に登板したが、リリーフ起用なら、記録の更新にも意欲を見せる。この日は大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円(金額は推定)で合意。婚約者の高木麻友さん(23)も駆けつけた。「これから一緒に歩んでいくので」と覚悟を示し、プロの舞台に飛び込む。【久保賢吾】

 ◆野田浩司のフォーク

 阪神時代、当時ヤクルトの監督だった野村克也氏から、視界から消えるように鋭く落ちる落差に「お化け」と評された。93年にオリックスに移籍後、3年連続200奪三振。94年の近鉄戦でプロ野球タイ記録の17奪三振をマークし、翌95年のロッテ戦で新記録の19奪三振を記録した。