阪神が、高知の和田恋(れん)内野手をドラフト上位候補に挙げていることが22日、分かった。180センチ、81キロの恵まれた体を生かしたパワフルなスイングが持ち味で、今春のセンバツでは済美(愛媛)の豪腕安楽から甲子園の左中間スタンドへたたき込んだ。高校通算55本塁打。さらに投手としても活躍するなど、抜群センスを備える内野手だ。

 和田は当初、大学進学予定だったが、プロ志望届を提出して再浮上した。球団関係者は「大きいのを打てる内野手は、ぜひほしい。長打力だけでなく、野球センスもしっかりしている」と高い評価を与える。既に巨人も上位指名の可能性を見せるなど、球界が注目する逸材だ。

 阪神は1位指名を即戦力投手に絞り、九州共立大・大瀬良大地投手に一本化した。ただ、生え抜きの大砲育成は長年の課題であり、鳥谷や新井の次世代を見据え、将来有望な高校生野手の獲得も目指している。「人からいとおしく思われる存在になってほしい」の願いから恋と名付けられた。和田阪神が恋した土佐の大砲取りへ動く。

 ◆和田恋(わだ・れん)1995年(平7)9月26日、高知・土佐町生まれ。小1に嶺北ジュニアで野球を始める。高知中では軟式野球部。高知では野手兼投手の二刀流をこなしながら2年と3年春に甲子園出場。3年の春に済美・安楽から本塁打を放つなど高校通算55本塁打。趣味はDVD観賞。遠投110メートル。180センチ、81キロ。右投げ右打ち。O型。家族は両親と兄。