「プロ野球ドラフト会議

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 リポビタンD」は今日24日、東京都内で行われる。北星学園大付・山本大貴投手(3年)が、候補に挙がっている。182センチの長身から繰り出す最速143キロの直球と切れ味鋭いスライダーが持ち味だ。3年間で3季通じて道大会の出場経験はなく、全国的には無名選手だが、3年春から複数球団のスカウトが視察。あこがれのプロへ、吉報を待つ。

 運命が懸かるドラフト会議を直前にしても、自分が置かれている立場を信じられなかった。山本は「自分がプロに注目されると思ってなかった。ただただ、あぜんとしている」と素直な心情を明かした。プロは小学生のころからのあこがれ。「もし入れたら、本当にうれしい」と夢の舞台に思いをはせた。

 高校3年間、甲子園どころか道大会への出場も果たせず、アピールの機会は少なかった。それでも最速143キロの直球、切れのあるスライダーが武器の左腕は、プロの注目を集めていた。複数のスカウトが練習試合に足を運び、直接視察した。

 全国的には無名の存在。「なぜ自分が?」と不安が先立つのも無理はなかった。プロ志望届の提出もためらわれた。転機は沼山健吾監督(31)のひと言だった。「せっかくのチャンス。出せるだけ出してみよう。ダメだったらまた一緒に考えよう」。志望届の提出に踏み切り、日本ハムから届いた調査書を提出した。

 不思議な縁がきっかけだった。3年前。中学3年の山本が公園で同級生とキャッチボールをしていたところ、沼山監督がたまたま通り過ぎた。「この子良い投げ方をするな」と目に留まり、声を掛けられた。公立校への進学を志望していたが、進路を変更した。入学当時、身長は170センチしかなかったが、伸びるにつれて球速は上がった。小学6年で左ひじを剥離(はくり)骨折し手術。ひじの使い方を意識し、正しいフォームを身につけ、年々レベルアップした。

 甲子園で活躍した選手ではない。そんな山本は「自分なんかがここ(候補)に残ってることがすごいこと。後輩たちにも『あの人が行けたなら、自分もあの人みたいになろう』と思わせたい」と口にした。プロ入りが決まれば、無名校でも頑張る高校球児たちに夢を与える存在になる。【保坂果那】

 ◆山本大貴(やまもと・だいき)1995年(平7)11月10日、札幌市生まれ。札幌信濃小3年から厚別信濃スターズで野球を始める。札幌信濃中では江別シニアに所属。北星学園大付では1年夏からベンチ入り。1年秋の札幌地区予選1回戦で公式戦初登板。最高成績は2年夏の札幌地区代表決定戦。持ち球は直球、カーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップ。家族は両親と妹。182センチ、75キロ。左投げ左打ち。