<プロ野球ドラフト会議>◇24日

 「まさかのさか」の一本釣りだ。オリックスが1位でJR東日本の吉田一将投手(24=日大)の交渉権を獲得した。抽選で11連敗中とくじ運の悪さを露呈していたが、恐れず指名すると単独となった。森脇浩司監督(53)も「本当に信じられない。そんな状況。まさかのさかだ。抽選は避けては通れないと思っていた。名前が出てこなかったなんて信じられない。早く会いたい」と興奮を隠しきれなかった。

 はやる思いが指揮官を動かした。1位の指名が終わると、タクシーに飛び乗った。向かった先は吉田の会見が行われているJR東日本の東京支社。即刻、指名あいさつに向かった。身長191センチ右腕をその視界にとらえると「大きいね。まさに投手らしい体。ダルビッシュの若いときとダブるね」と、さらにテンションが上がった。

 念願の即戦力投手補強だ。長身から投げ下ろす右腕は、7月に行われた都市対抗で2年連続の準優勝を飾るなど実力は折り紙付き。指揮官は「アマチュアでもっとも完成度の高い投手。堂々とやってきたことを引っさげてくればいい」と期待をこめた。がっちりと握手を交わし、14年シーズンで躍動する吉田の姿を脳裏に浮かべていた。【池本泰尚】