阪神ドラフト1位の横浜商大・岩貞祐太投手(22=必由館)が「左腕先発バトル」に参戦する。29日、山口高志投手コーチ(63)が岩貞について「まずは先発として競争してもらわないと。ヨーイドンで横一線の競争やから」と話した。

 即戦力左腕として期待の裏返しだろう。もちろん、来年1月の新人合同自主トレでの仕上がりなどから2月の1軍春季キャンプ参加の可否を見定めるが、ドラフト1位の大卒投手でもあり、順調ならば沖縄からスタートするのが恒例だ。ルーキー岩貞にとって、いきなり南国で腕を試される。

 注目の開幕ローテーション争いで立ちはだかるのは実績のある左腕2人だ。今季こそ2勝に終わった岩田は08年に10勝を挙げるなど先発として結果を残している。また、榎田は今季から先発に転向。4勝止まりだったが、救援での成績は申し分ない。ともに汚名返上に燃える。24日の指名時に「まず先発というポジションを獲得したい」と意気込む岩貞は、一筋縄ではいかない実力者と争う。

 左腕エースの能見をほうふつさせる投球動作から「能見2世」と称される。憧れの本家と肩を並べるためにも、来春キャンプでのアピールは欠かせないが、まずは残りわずかな大学生活の花道を飾るつもりだ。明日31日に関東地区大学選手権の上武大戦を控えて、頭を丸刈りにした。「スッキリしたので戦いに集中できる」。まずは大学日本一を目指し、全力を尽くす。その先に高くそびえるのは、多くの有望株が苦闘するプロの壁だ。ダイヤの原石にとって、沖縄が第1関門になりそうだ。