ロッテに超ヘビー級のアジャ・コングが降臨だ!

 ドラフト5位の日本生命・井上晴哉内野手(24=中大)が25日、大阪市内の同社で契約金5000万円、年俸1200万円(金額は推定)で契約した。体重110キロは現時点で、NPBの日本人選手最重量。迫力満点の巨漢は「打撃に磨きをかけて、日本一に貢献したい」と鼻息を荒くした。

 生まれた時から5200グラムと規格外のビッグベビーだった。当然打撃もパンチ力が魅力で、同席した松本編成統括は「パワーは外国人に負けない」と太鼓判。日本生命では主に4番DH、東アジア大会も日本代表の5番で優勝に貢献した。ハンドリングも柔らかく、一塁守備に定評がある。

 ワールドクラスなのは力だけじゃない。有名女子プロレスラーにそっくりな外見から愛称は「アジャ」。高校時代は「ボブ・サップ」だった。「女子プロに例えられたのはビックリでしたけど、イヤじゃない」とまんざらでもない様子だ。

 さらに見た目通り、チョコ大好きというから期待を裏切らない。12月には新人で埼玉・浦和の菓子工場見学を予定している。「パイの実は譲れない!

 ヤバイ、眠れないです」とフライングで大興奮。姉のお菓子作りを手伝うこともあり、まさにロッテに入るために生まれてきたような男だ。

 チームは右の大砲が不在で、伊東監督も「ブンブンふり回してほしい」と期待する。早くも最重量タイトルを手にした“アジャ”は「何でも1番はうれしい。取れるもんは取っとかないと」とにんまり。「まだ3冠王とは言わないですよ」と笑いながら、虎視眈々(たんたん)と打の栄冠を狙っている。【鎌田良美】

 ◆井上晴哉(いのうえ・せいや)1989年(平元)7月3日、広島市生まれ。小4から野球を始め、崇徳では外野手で高校通算31本塁打、甲子園出場なし。中大では1年春に全試合4番で1部昇格に貢献。2年秋に首位打者。3年夏に大学日本代表入り。東都通算12本塁打。日本生命では主に4番DHとして活躍。家族は両親、兄、姉2人。180センチ、110キロ。右投げ右打ち。

 ◆重量級プロ野球選手

 今季登録では歴代でも最重量の李大浩(オリックス)の130キロがトップで、2位はエルドレッド(広島)の122キロ。上位は外国人が占め、全体12位の中田亮二(中日)の107キロが日本人トップ。日本人選手で100キロ以上は山崎武司(中日=105キロ)細川亨(ソフトバンク=104キロ)ら8人。入団時の中田は115キロで、2年目から107キロに体重減。「ドカベン」香川伸行(南海)の入団時は96キロで登録された。