ソフトバンクのドラフト1位候補に前橋育英(群馬)の高橋光成投手(3年)が急浮上していることが12日、分かった。これまで早大・有原、済美・安楽らが基本線と見られていたが、複数球団による競合は避けられない状況で、プロアマ関係者の話を総合すると、球団内で149キロ右腕の株価が上昇している。

 高橋は2年エースとして昨夏の甲子園に初出場初優勝を果たした。決勝の3回まで44イニングで自責点0を続けた。今年は1月にバント練習で右手親指の付け根を骨折し、キャッチボール再開が3月と遅れた。今夏は群馬大会3回戦で敗れ、脚光を浴びることはなかったが、9月のU18(18歳以下)アジア選手権で日本代表エースとして準優勝。球団は大会の行われたタイに永山アマチーフスカウトを派遣し、密着マークを続けてきた。

 ソフトバンクは例年ドラフト会議直前まで1位の方針を明かさず、今年も現時点では未定。高橋は肩や肘に不安がないのも魅力で、他球団の動向を見守りながら、1位指名の可能性を探る。156キロの有原、157キロの安楽らももちろん1位候補で残っており、近日中に行われるスカウト会議で、慎重に議論を重ねる。

 ◆高橋光成(たかはし・こうな)1997年(平9)2月3日、群馬県生まれ。小学1年から利根ジュニアで野球を始める。利根中から投手に専念。前橋育英では2年夏の甲子園に出場。岩国商(山口)との初戦で9者連続三振をマークし全国制覇。今年9月のU18アジア選手権はエースとして準優勝に貢献。最速149キロの直球とフォークが武器。188センチ、88キロ。右投げ右打ち。