<運命の日を待つ(中):高校生編>◆石川直也投手(山形中央)

 山形中央・石川はほぼ毎日、プロ入りを見据えて練習している。ウエートトレーニングや走り込みが中心。1、2年生の紅白戦に登板することもある。今でも146キロを計測する。

 プロ入りの意思を伝えたのは、甲子園終了後のバスの中だった。チームは12時間かけてバスで山形へ戻った。庄司秀幸監督(38)は車内で3年生と面談。石川ははっきりと「プロ」を口にした。社会人や大学進学を含めた中途半端な返事なら「プロ志望届は出させないつもりでした」と同監督は明かした。

 プロを本気で意識したのは「1年秋ぐらい」と石川は言う。当初は社会人も選択肢にあったというが昨春のセンバツ、この夏と甲子園を経験し、進路を1本に絞った。調査書は10球団から届いている。

 148キロの速球は魅力だが、高校時代は「フォークを磨いた」と振り返る。大工の父貢さん(53)譲りで手先は器用。軟式の中学からフォークを投げ「今では打者の手元近くで落ちるようになった」と自慢げに言った。

 将来性を高く評価されており、指名される可能性はある。「(指名)順位はこだわらない」と石川。夢が現実に近づいている。【久野朗】