中日が今日23日のドラフト会議で、亜大・山崎康晃投手(4年=帝京)を1位指名することが濃厚になった。22日に都内でスカウト会議を開催。何度も視察してきた落合GMの猛プッシュがあり、最速151キロの本格派右腕を大本命に定めた。ただし、今日のスカウト会議で正式決定する1位はGM就任後2年連続で公表なし。V奪回補強へ、オレ流が存分に発揮されるドラフトになりそうだ。

 中日のドラフト1位指名は、東都大学リーグのNO・1右腕が濃厚になった。亜大の山崎だ。この日、落合GMや谷繁兼任監督を交え、都内でスカウト会議を開催。3時間に及ぶ議論を交わし「軸は山崎」で方向性がまとまった。

 関係者によると、山崎をイチ推ししたのは落合GMだった。神宮での登板試合に何度も足を運んで視察。最速151キロの真っすぐを主体に、スライダーやナックルなど七色の変化球を操る高い完成度にホレ込んでいるという。昨年、今年と2年連続で大学日本代表に選ばれた国際経験も豊富。竜の編成トップは開幕ローテの一角を託せる即戦力として二重丸をつけていた。

 ただし、昨年に続いて1位公表はなかった。「何か決まったら(西山球団)代表が言う。それが社の正式なコメント」。落合GMはそれだけ言って車に乗り込んだ。2年連続Bクラスのチームにとって、投手補強は最重要課題。他球団に手の内を明かさない方針はGM就任後も不変だ。中田スカウト部長も「明日のドラフト会議の前に決めようとなった。決まってないというより決めてない」と苦笑い。現状なら一本釣りが濃厚だが、万全を期すかのようなかん口令が敷かれた。

 仮に競合した場合は、谷繁兼任監督が2年連続クジを引くことが決まった。さらに外れ1位には新日鉄住金鹿島・横山雄哉(20=山形中央)と、三菱日立パワーシステムズ横浜・野村亮介(21=静清)をリストアップした。横山は最速147キロの本格派左腕で、身長187センチの野村は149キロの本格派右腕。あくまで即戦力投手の獲得に比重を置く。

 谷繁兼任監督も「明日にならないと分からないです。最終的にはテーブルについてからじゃないですか?」と不敵に笑った。他球団の動向もうかがい、山崎を軸とする1位は今日23日、ドラフト本番直前のスカウト会議で正式決定する。監督時代の08年は当日に1位を大田泰示(現巨人)から、野本圭に切り替えて驚かせたこともあるオレ流ドラフト。果たして今回、サプライズはあるのか。

 ◆山崎康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日、東京・荒川区生まれ。小1で野球を始めて、尾久八幡中では西日暮里グライティーズ。帝京2年夏、3年春に甲子園。亜大で、1年春から東都大学リーグに登板。177センチ、84キロ。右投げ右打ち。