<プロ野球ドラフト会議>◇23日

 今ドラフトの目玉で早大の156キロ右腕、有原航平投手(4年=広陵)が4球団から1位指名を受け、抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得した。

 日本ハム津田球団社長が小躍りした。「なまら、うれしい」と北海道弁で、叫んだ。運命の壇上には4人。阪神和田監督、DeNA中畑監督、広島尾形スカウト。抽選順は3番目。右手で残りクジ2枚の右側を引いた。「右にすると決めていた。『決め』ですよ、勝負は」。テーブルに戻ると、栗山監督が笑顔で待っていた。

 常勝の歴史のDNAが宿った「代打の神様」だ。昨年3度抽選を外した栗山監督に代わり、抜てき。11年に巨人と2球団競合し、菅野の交渉権をゲットした実績もあった。過去に藤井前球団社長が07年に高校生ドラフトで中田、10年に斎藤を、ともに4球団競合で引き当てた。栗山監督らに「絶対に当たる」と送り出され「社長神話」が再び、よみがえった。

 早大のスクールカラーにちなみ、えんじ色のネクタイとパンツを装着した栗山監督もハイテンションだ。「サイコーです。良かった。(抽選は)オレじゃなくて」。津田球団社長も大役を終え、一息ついた。「監督が喜んでくれたのが一番、うれしいわ」。渋いドラマを振りまいて、ドラフトの目玉を、また手に入れた。【高山通史】