<プロ野球ドラフト会議>◇23日

 中大・島袋洋奨投手(4年=興南)が王球団会長の4年越しの愛を受けて、ソフトバンク入りする。10年に甲子園春夏連覇を果たしたトルネード左腕は、ドラフト5位で指名を受け、大粒の涙を流した。「同期の福田が(楽天3位で)先に指名されて、1人になって不安だったけど、ホッとした」と目を赤くした。

 王会長が高校時代からほれ込んでいた逸材。大学1年の時は将来の1位指名を考えたほどだった。だが今季は春先から制球難に苦しむなど、4年間で通算12勝20敗と栄光の高校時代からは一変した。それでも才能を高く評価した。王会長は「(指名時に会場から)拍手が出たように人気もある。沖縄は九州圏でうちのテリトリー。大学でいろいろ悩んだようだけど、殻を破ってほしい」と期待もかけた。

 島袋も受け止めた。「球史に残る人から言われて、ありがたい。そのチームでやれることも光栄。期待に応えられるようにやりたい」と誓った。

 プロに入り、1からのスタートになる。4年の苦闘は財産になる。「悪くなった時の解決法を見つけることを学生の時に経験できてよかった。自信がなければ志望届を出していない。やっていく自信はある」。今度はプロで大きなうねりを巻き起こす。【広重竜太郎】

 ◆島袋洋奨(しまぶくろ・ようすけ)1992年(平4)10月24日、沖縄・宜野湾市生まれ。嘉数中から興南に進学し、甲子園は2年春からエースとして4季連続で出場。3年時には沖縄勢で初めて夏の甲子園を制し、史上6校目の春夏連覇。甲子園通算13試合11勝2敗、防御率1・63。家族は両親と兄、姉。172センチ、73キロ。左投げ左打ち。