巨人ドラフト1位の智弁学園・岡本和真内野手(18)が24日、プロ入りを前にさらなるパワーアップを誓った。ドラフトから一夜明け、同校で練習。フリー打撃では59スイングで場外弾1発を含む5本の柵越えを放ち、三塁の守備でノックも受けた。「昨日はあまり眠れなかったです。300件くらいお祝いの連絡をもらって、返すのに時間がかかってしまって…」と初々しかった。

 プロで生き抜くために、立てた目標は高卒ルーキーでは初の100キロでのプロ入りだった。高校通算73本塁打のパワーの持ち主だが、ウエートトレーニングなどで作り上げたわけでなく、“天然モノ”。それでも、夏の甲子園敗退後から、ウエートトレーニングのメニューを増加。「今は95キロなんですが、筋肉を増やして、100キロくらいに乗せられれば」と設定した。

 本塁打を量産できた理由を聞かれ、「体重移動とタイミングですかね」と苦笑いを見せる。現在、ベンチプレスは60キロ、握力も50ほどだと言うが、体の質を変えた増量ボディーで、勝負の世界に飛び込む。「ウエートをしっかりやって、体を作りたいです。体のキレも出れば、もう少し飛ぶのかなと思う」と話した。

 この日の練習では、一般生徒が練習の見学に訪れた。それでも、岡本は「あまり実感はわかないんです。ニュースも見てないんです…」と自然体を貫いた。高校球界NO・1スラッガーは、謙虚に牙を研ぎ、巨人の門をたたく。【久保賢吾】

 ◆重量級の高卒ルーキー

 福岡第一で「九州のバース」の異名を持った山之内健一は97キロで、89年にダイエー(現ソフトバンク)に入団。81年にヤクルトに入団した横浜商の宮城弘明は96キロ。193センチの長身と規格外のサイズから「ジャンボ」の愛称で親しまれた。浪商で「ドカベン」の愛称で有名だった香川伸行も96キロで、80年に南海入団。西武中村剛也、日本ハム中田翔の大阪桐蔭出身コンビは95キロ。巨人では松井秀喜(星稜)大田泰示(東海大相模)が後の名レスラー、ジャイアント馬場こと馬場正平(三条実)と並び90キロ。