夢は“侍JAPAN”入り!

 西武から育成ドラフト1位で指名された北海・戸川大輔外野手(18)が29日、札幌市内の同校で指名あいさつを受けた。実家は、日高町で軽種馬生産を営む。戸川が中学時代、父洋二さん(44)が将来プロでの活躍を願って名付けた生産馬のサムライジャパンが、ホッカイドウ競馬で昨年まで走り重賞2勝を挙げた。家族の支えを受け、大きな夢を持ってプロの世界に飛び込む。

 188センチの体のように、戸川が大きく希望を膨らませた。西武水沢スカウトからの指名あいさつを受け「直接会うと実感がわく」と気持ちを高ぶらせた。田辺徳雄監督(48)からプレゼントされたサイン色紙などを手に、「育成でもどんな形でもいいと思っていた」と、念願だったプロのスタートラインに立ち喜んだ。

 温かい家族愛を受けてきた。実家の戸川牧場は中央競馬でG3重賞を2勝し、G1出走歴もあるダイシンオレンジを生産している。父洋二さんは、07年生まれで09年にデビューした1頭に「サムライジャパン」と名付けた。「WBCの時期で、大輔も野球をやっていたというのもあって」(洋二さん)と、野球少年の戸川のために思いを込めた。ホッカイドウ競馬に所属したサムライジャパンは、重賞2勝を含む8勝を挙げた。命名のいきさつを知る戸川にとって、励みになる活躍だった。生産馬に負けじと「日本代表になれるように頑張りたい」と目標は大きい。

 日高厚賀中時代は毎週末、所属する札幌のチームの練習のため、洋二さんが片道2時間の道のりを車で送ってくれた。「ここまで来られたのは両親のおかげ」と感謝する。北海では2、3年夏に2年連続で地区予選敗退と甲子園には届かなかった。「高校時代は結果を出せなかったから、プロでプレーしている姿を見せたい」と、恩返しを心に決めている。

 水沢スカウトからは「体が強くて馬力がある。パワフルな選手になってもらいたい」と、期待をかけられた。恵まれた体格を生かしての長打力に、50メートル走5秒8の脚力もある。西武では初の高校生の育成選手になる。「1年目は支配下登録され、2年目で2軍で活躍して1軍に。将来はクリーンアップを打ちたい」。夢いっぱいに、プロへの道を駆ける。【保坂果那】

 ◆戸川大輔(とがわ・だいすけ)1996年(平8)4月29日、日高町生まれ。日高厚賀小2年から野球を始め、6年時に日本ハムファイターズジュニア選出。日高厚賀中では札幌グロウィングス(現札幌北広島ボーイズ)に所属。北海では1年秋に背番号1でベンチ入り。2年秋から投手から外野手に転向した。家族は両親と妹。188センチ、86キロ。右投げ右打ち。

 ◆育成ドラフト出身の侍ジャパンメンバー

 05年に育成で入団した巨人山口は、09、13年のWBCに日本代表として出場した。08年育成ドラフトでロッテから5位指名された西野は、11月に開催される「2014

 SUZUKI

 日米野球」のメンバーに初選出されている。