ヤクルトのドラフト1位竹下真吾投手(24=ヤマハ)が19日、静岡・浜松市内の同社で仮契約を結んだ。契約金は1億円プラス出来高払い、年俸1500万円(金額は推定)。背番号は「22」に決まった。竹下はヤマハで鍛え上げた「精神力」と「速球」を武器に、1年目からの活躍を誓った。

 マウンド同様、竹下は会見場でも表情をほとんど崩さなかった。対戦したい打者を聞かれると「すごい打者がたくさんいるので、特にはいないです」。新人王への意気込みについても「執着はないです」と、終始落ち着いた言葉を並べた。「感情の起伏がないんです」と、申し訳なさそうに明かした。

 その冷静さをリリーフ向きの素質だと見抜き、プロへの道を切り開いてくれたのがヤマハだった。今季からリリーフに転向。ピンチでも動じない精神力と最速150キロの速球を武器に頭角を現した。「ヤマハで技術はもちろん、精神的にも鍛えあげてもらった。抑えをやり出してから、このポジションをやりたい気持ちが高まった」。この2年があったからこそ、今がある。

 ヤクルトからも、その精神力を買われている。まずは救援陣の一角で起用する方針で、背番号は「22」に決まった。日米通算313セーブで名前が同じ「シンゴ」という高津投手コーチの現役時代の番号だけに「高津コーチと同じポジションでやっていければ。プロでの経験のお話をうかがえたらと思います」と、この時ばかりは目を輝かせた。

 ヤクルトはここまで2年連続最下位に低迷しているだけに、1年目からかかる期待は大きい。鳥原チーフスカウトからも「近い将来、抑えで30セーブを挙げられるよう頑張ってほしい」と託された。いきなりの重責。それでも「後々守護神を目指してやっていきたい」と力強く結んだ。球界屈指のリリーバーへ、このままぶれずに堂々といく。【浜本卓也】