夢は小さな大打者だ。中日は21日、ドラフト3位指名の日本通運・友永翔太外野手(23)と都内のホテルで仮契約を結んだ。契約金5500万円、年俸1000万円(金額は推定)。

 一般の人に紛れれば、プロ野球選手には見えないだろう。身長170センチは中日で最も低い。ただスーツに包まれた筋肉質な体には、意欲がみなぎっている。「身長は気にしていません。身長でプロをあきらめる人もいるけど、小さくても必ず活躍できると伝えていきたい」と目を輝かせた。

 憧れは今季ロイヤルズでワールドシリーズにも出場した青木だ。背は5センチ高いが積極的で長打力を秘めた打撃は、自分の持ち味とかぶる。同じ右投げ左打ち、守備走塁にも秀でた外野手で、今季の活躍に目を奪われた。「メジャーに行ったら本当に小さい方じゃないですか。でも全然関係なく活躍している。僕もああいう選手になりたい」。170センチの西武森、165センチのアストロズ・アルテューベの存在も刺激になった。

 中日の外野は多士済々。和田、大島、平田に新外国人も獲得検討中と、割って入るのは容易ではない。ただ球団の評価は高く、レギュラー候補と見込む。ドラフト後の社会人日本選手権1回戦では石井チーフスカウトらが見守る前で5安打4打点を放った。

 「開幕から1軍にいるべき選手と思われて入団する。泥臭く、ずっと1軍にいたい」。小さくても志は大きく。日通を離れても次はプロで夢と希望の運び屋になる。【柏原誠】

 ◆友永翔太(ともなが・しょうた)1991年(平3)4月1日、神奈川・秦野市出身。東海大相模では甲子園出場経験はなし。内野手一筋だったが、国際武道大で2年途中から外野手に転向。13年に日本通運に入社。今秋の日本選手権ではバイタルネット戦で5安打4打点と活躍した。170センチ、74キロ。右投げ左打ち。