ソフトバンクのドラフト3位指名、九州国際大付・古沢勝吾内野手(18)が、2つの公約を掲げた。23日、北九州市内のホテルで契約金5000万円、年俸600万円(金額は推定)で契約合意。高校通算27発スラッガーは「1年目でも2年目でも早めに1軍に上がりたい」と気合を入れ、プロでの目標を語った。

 1つ目は「オリジナル登場曲」だ。九州国際大付・若生前監督の東北時代の教え子、宮田彗が組むボーカルユニット「BREATHE(ブリーズ)」と親交があり「つくってもらいたい」と目を輝かせた。EXILEと同事務所の後輩で人気上昇中。古沢も9日に福岡でのライブに行った。宮田は専大では長谷川と同期でもあり、打撃職人との会話のきっかけにもなりそうだ。

 2つ目は「原点の地の改修」。滋賀県での中学時代、ボーイズリーグの練習のない日に父智規さん(41)が借りてくれた木之本町民グラウンド。父が投げる球を打ち、母波留美さん(37)と妹が球拾いをしてくれた。この夏、実家に帰省した時も親子4人で特打し、プロ入りへの思いを再確認した大事な場所だ。

 「両翼が92メートルで外野のネットが低い。僕ができるのであればネットを高くしたい」と話した。自分に続く少年たちが思い切り打てるためにも、契約金の一部で恩返ししたい考え。実際は長浜市がこの冬、外野ネットは張り替え、現状よりは高くなるという。町民グラウンド関係者は「だったら、ほかの部分をしてもらいましょうか。古沢君に会いたいですね」と、プロ入りの夢をかなえた少年の優しさに感激していた。【石橋隆雄】

 ◆古沢勝吾(ふるさわ・しょうご)1996年(平8)9月5日、滋賀県生まれ。小2から地元の木之本球友クラブで軟式野球を始める。木之本中では湖北ボーイズに所属。3年では日本代表の4番を務めた。九州国際大付では1年秋から遊撃のレギュラー。3年夏の福岡大会でサイクルヒットを記録。50メートル走6秒0。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。