中日は26日、育成ドラフト4位で指名した名城大・近藤弘基外野手(21)と名古屋市の球団事務所で仮契約を結んだ。支度金200万円、年俸300万円。

 父は高卒新人ながら巨人相手に初登板ノーヒットノーランを達成した伝説の左腕、真市氏(46)。投手ではないが、一番の自慢は鉄砲肩。名城大グラウンドの中堅122メートルフェンスをホームからの遠投で越えた逸話を残している。大学で著しく成長し、スカウトも伸びしろに期待する。

 この日は父子で契約交渉に臨んだ。「小学校以来キャッチボールをしていない。一緒にやりたいです」と笑ったが、伝え聞いた同コーチは真顔で「やる機会はないでしょ。どこまでやれるかは本人次第。僕は見ているだけ。支配下選手にならないと1軍チャンスはない」と突き放した。

 まさかの“絶縁宣言”は愛情の表れ。同コーチはここ数年の成長を認めており「大学で主将をやらせてもらい、言動や行動が変わってきた。生かしてほしいですね」と父親の顔ものぞかせた。なお、息子の性格は「勝ち気で僕に似ている」とのこと。同じように球界に大きなインパクトを残せるか。【柏原誠】

 ◆近藤弘基(こんどう・ひろき)1993年(平5)2月12日、名古屋市生まれ。旭丘小3年で野球を始め、旭中を経て父と同じ享栄に進んだが甲子園出場なし。名城大3年春から外野の定位置を奪い、同年春秋のベストナイン選出。179センチ、79キロ。右投げ右打ち。家族は両親と妹。