ソフトバンクの新入団発表会見が1日、福岡市内で行われ、ドラフト1位指名の松本裕樹投手(18=盛岡大付)が、与えられた背番号66のイメージを変えることを誓った。66はかつて主戦だった斉藤和巳氏が20勝を挙げ、最多勝を獲得した番号。昨年引退した斉藤氏の後を受け継ぐ松本は、登板全試合勝利での最多勝という究極の目標達成を目指し、プロでの第1歩を踏み出す。

 ポーカーフェースがトレードマークの松本が、表情を変え、真剣なまなざしでプロでの目標を口にした。球団から与えられた背番号は66。右肩のケガから復活し、エースまで登り詰めた斉藤氏の背番号を受け継ぐ18歳の決意は固かった。

 「斉藤さんが引退後、誰もつけていない番号をいただいた。それだけ期待されている。今は斉藤さんの番号のイメージだが、早く自分の番号だと胸を張って言えるよう、これをエースナンバーにしたい」

 斉藤氏は95年ドラフト1位でホークスに入団以来、引退した13年まで66を背負い続けた。03年には20勝、06年にも18勝を挙げ、ともに最多勝と沢村賞を獲得。引退後、1年空いていた番号を手にした松本も、大先輩に負けじとプロでタイトルをつかむつもりだ。

 「66はホークスにとっては偉大な背番号だと思うので、この番号に恥じないよう、さらに66を偉大なものにしていきたい。球団やファンの方に信頼される選手になりたい」

 斉藤氏も自身のブログで「66を松本の数字にしてもらいたい。そうなればさらに66が輝いて見えると思う。より輝いてくれたら、俺も過去に66を背負っていたことを誇りに思えると思う」とつづり、エールを送った。

 目指すは登板全試合勝利だ。「プロは結果がすべて。今まで達成できた人は少ないが、20勝、いや、投げる試合は全部勝てる選手になりたい」。今夏右肘を痛め、現在はキャッチボールを控えているが焦りはない。「まずはキャンプについていける体にしたい」。王球団会長からも「焦らず、じっくりやればいいから」と言葉を掛けてもらった。

 入団会見では、プロでの目標を「全力」と色紙に記した松本。憧れだったプロの世界で勝ち星を重ね、鷹のエースへと、力強く大きく羽ばたいてみせる。【福岡吉央】