パ・リーグ制覇に大きく貢献した日本ハム菊地和正投手(27)が25日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、球団史上最高アップ率となる約355%増の3500万円でサインした。今季はチーム最多タイの58試合に登板し、5勝2敗21ホールドと活躍。勝ち、負け試合にかかわらずブルペン待機し、投手陣を支えた。(金額は推定)

 球団からの提示額を聞いた菊地は、目玉が飛び出そうなほどに驚いた。「自分で思っていたよりも全然上でした。(聞いた年俸は)他人と間違っているんじゃないかと思った」。2730万円増の3500万円は、96年に新人王を獲得した金子誠の300%増(700万円→2800万円)、06年武田久の約289%増(1800万円→7000万円)を超える約355%の「球団新記録」。“ドッキリ”かと疑うほどに、予想をはるかに超えていた。

 昨年まで通算13試合の登板しかなかった男が、今季チーム最多タイの58試合に登板。5勝2敗21ホールド、防御率3・67とリーグ制覇に貢献した。さらに球団が評価したのは、試合展開にかかわらずマウンドに上がった献身的な部分。島田チーム統轄本部長は「(シーズンの)最初のころは特に大変だったと思う。すごく早く出番がきたり、イニングをまたいだり、セットアッパーという立場ではなかったから」。先発投手の規定投球回到達者がダルビッシュと武田勝の2人しかいない中、負担のかかるブルペンを支え続けた。

 だが本人の辞書に「満足」の文字はない。8月5日の西武戦など、リードしている状況で失点した場面もあり「僕にとっては58分の1試合でも、先発にとっては1週間でつくりあげた1試合。だから先発のためにも、チームのためにも、失敗は許されない」とキッパリ。昨オフ同様、タイでの自主トレを計画中で「チームが必要としてくれるなら何試合でも投げたい」と来季もフル回転することを誓った。

 長い不景気に苦しむ現代、給料4・5倍というサラリーマンには夢のような話。しかし、菊地が浮かれることはない。「僕はあんまり物欲がないので…。(シーズン中)嫁さんに迷惑をかけたので、何か買ってあげたいです」。照れくさそうに笑った。【本間翼】