日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)がイチロー超えの金字塔を打ち立てた。9日、契約更改交渉に臨み、6000万円増の年俸3億3000万円プラス出来高払いでサイン。史上最年少、プロ6年目の最速タイで3億円プレーヤーになった。今季は15勝(5敗)、防御率1・73で、3年連続の15勝以上、同1点台をマーク。球団トップ年俸の座を守り、「暫定」ながらパ・リーグ投手のトップにも躍り出た。「どうもこうも(感想は)ないですね…」とあっさりとサインした。

 例年通り、布施裕弁護士を伴っての代理人交渉。シーズン終盤の離脱で「最後は貢献できていない。そこは申し訳ない」と悔いはあったが、ずばぬけた成績が金額にも反映された。しかも要求してもおかしくない年俸の増額は控え、出来高で還元される契約を球団と合意の上で継続して結んだ。「もともと年俸が高額なので、お互いにその方がいい」と理解し合っての決着だった。

 おとこ気あふれる発言に、球団経営にも気配りしての“思いやり交渉”。「年俸だけにこだわれば、もっといける」と“余力”を残してのスピード大台突破になった。