ムネリン・カンタービレ~基本給1本勝負!

 ソフトバンク川崎宗則内野手(28)が16日、プロ入り10回目の契約更改も出来高払い不要の方針を打ち出した。「契約はシンプルにしたい。僕はインセンティブ(出来高払い)はいらない。契約につけると、その数字を追いかけてしまう。僕が目指すのはそこではありません」。18日に控える初交渉に向けて“無欲”とも思われる持論を展開した。

 個人成績に応じて報奨金が付くインセンティブ契約。野手なら打席数や安打数、打率など、球団との話し合いで決めた条件をクリアした場合に基本給とは別に支払われるが、今まで同様に無関心を貫く。

 川崎

 野球はオーケストラと思う。みんなでハーモニーを奏でてお客さんに拍手をもらう。1人だけがガンガン演奏してもだめと思うんです。みんなでいい演奏をして、優勝して最高の拍手をもらいたい。

 個人成績に走るとチーム貢献につながらない、試合中に余計な計算やお金に意識が働くのはオーケストラの一員としてふさわしくないというわけだ。

 さらに球団が主力選手や今後FA(フリーエージェント)資格取得が見込まれる選手に提示する、複数年契約もやんわり拒否。「複数年はしようと思わない。単年勝負が基本で、成績が悪いなら下がって、いいなら上がる。責任を持ってやりたい」とも語った。出来高や複数年という、一見、選手に厚遇と思われる条件は不要。最高の音楽を奏でるための、川崎の流儀だ。