ソフトバンク田上秀則捕手(29)が16日、代理人交渉に乗り出す考えを示した。この日、前日に続いて2度目の交渉。2150万円増の来季4800万円から再提示はなく、再び保留した。田上は「譲る気持ちはないですね。こっち(福岡)に帰ってくるのが1月の半ば過ぎになる。代理人にするかもしれません」。日程の都合がつかず、越年が決定。交渉長期化に備えて、第三者に託すプランを検討し始めたのだ。

 田上が聞き役だった前日とは一転、この日の交渉はプロ8年目で正妻の座をつかんだ男の要望を、球団が聞く形になった。138試合出場で扇の要となった自負をのぞかせるように、田上がアピールしたのは守備面の貢献。「防御率は4点台と3点台では全然違う」。チーム防御率を08年4・05(リーグ5位)→09年3・69(同2位)と大きく引き下げた。特に今季は新垣の離脱、和田の負傷など先発陣の柱を欠きながら、高橋秀や藤岡ら中継ぎ陣の緊急先発ローテ入りを支え、勝ち星をつけた。最低ラインとする来季年俸6500万円を勝ち取るまで、一歩も譲るつもりはない。

 角田球団代表は「見直すところは見直し、今度話し合いたい。このくらいのラインとは言った。投手をうまくつかった苦労はわかる」。大まかな修正案は示した模様だが、出来高契約なども検討しながら今後対応していく方向だ。

 依然、両者の希望には1500万円前後の溝がある。「球団の反応?

 分かりません」と田上。代理人交渉で現状打開を背番号70が狙う。