日本ハム高橋信二捕手(31)が球団史上一番の「成り上がり」で、1億円プレーヤーの仲間入りをした。25日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、4800万円増の年俸1億2000万円プラス出来高(金額は推定)でサインした。96年のドラフト7位入団から13年目で大台到達。球団生え抜きの1億円選手では、ドラフト最下位の「記録」を打ち立てた。

 クリスマスの夜。初めて代理人を伴っての交渉を終えた高橋は、神妙な表情で会見場へと現れた。1億円を超える提示を「意外と普通でしたね。金銭感覚が狂ってきている」と淡々と受け止めた。今季はつなぎ役を重視した4番を任され、自身初の打率3割をマーク。一塁手でゴールデングラブ賞も獲得と華々しい1年を締めくくる、球団の評価だった。

 岡山・津山市からプロの道へ進み、2軍暮らしを経て03年から1軍へ定着。03年に就任したヒルマン前監督(現米ロイヤルズ監督)に見いだされ、そのチャンスを生かした。「これで図に乗っちゃダメだな」と気持ちを引き締め、来季へと臨む。その10年は順調なら国内FA権を取得という節目がくる。「最高の準備をして、いきたい」。慢心せず「成り上がり」の物語の続きをつくる。【高山通史】