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インタビュー

優勝左右エース対談/07年1月インタビュー

--優勝おめでとうございます

八木・ダルビッシュ 「ありがとうございます」

--現在のお気持ちは?

八木 「落ち着きましたけど、普通です」

--すごいことをやったんだな~という感覚は?

八木 「それがね、なんだか普通なんですよ」

ダルビッシュ 「僕ら、1年目、2年目だからどれだけ優勝がスゴイことなのかわかっていないと思うんです。八木さん、そう思いません?」

八木 「うん、そうそう。1年目でポンポンといっちゃったからね」

--これがプロ野球界だと思ってしまう?

八木 「すべてが初めてなので何かよくわからないんです」

--でも、今年大活躍のお二人。優勝の立役者。しかも大の仲良し!

ダルビッシュ 「でも、最初はぜんぜん話もしなかったんですよね」

八木 「うん、キャンプのときなんてぜんぜん話をしなかったもんね」

--第一印象って?

ダルビッシュ 「自分が覚えているのは、多分、寮の風呂で見たのが最初だと思うんです。鎌ヶ谷のお風呂で見て。お~これが大学で完全試合を達成した八木さんか~って(笑)」

八木 「うん、キャンプのときなんてぜんぜん話をしなかったもんね」

八木 「なんだ、俺の第一印象は生まれたままの姿か!」

ダルビッシュ 「ま、そういうことになりますよね(笑)」

八木 「僕は、ダルが有名なのはわかっていたんです。テレビにも出ていたし、雑誌を見たら載っているし。寮のエレベーターが開いたときに目の前にいて。見たときに、こんなにデカイと思わなくて、思わず『デケーッ!』って!」

ダルビッシュ 「アハハハ!」

八木 「すぐに挨拶をしてくれて、いい子だな~って思いましたね」

ダルビッシュ 「イメージがね、違うんですよ~」

八木 「ほら、いろいろと噂があって、本当はどうなのかなんて知らないですから」

ダルビッシュ 「性格、悪そうとか思っていたんでしょ?」

八木 「ま、ま、ま、いろいろ噂が…ね。僕とは合わないかな~って思ってたんですよ。それが、意外に礼儀正しくてビックリ! (イメージが)悪いところからのスタートだから、普通に丁寧に挨拶してくれただけで、ポイントが高いよね」

ダルビッシュ 「そっか! でも、急に仲良くなりましたよね」

八木 「ほとんどしゃべってないよね。僕がいけなくて」

ダルビッシュ 「キャンプのときだってあまりしゃべってないですよね」

八木 「僕が…しゃべっていいのかな~って感じで」

--何がきっかけだったのかな?

ダルビッシュ 「二人で新幹線で移動したときがあったじゃないですか」

八木 「神戸?」

ダルビッシュ 「初勝利した後で、二人きりで神戸から東京の移動。そこから話すようになった気がします」

八木 「僕は…気がついたらダルが隣にいたような…。今じゃあ、キャッチボールも一緒ですもん」

ダルビッシュ 「そうやそうや!」

--二人、性格が合うのかな?

ダルビッシュ 「八木さんって性格は普通。人との付き合いが好きで感性があふれている。音楽も好きだし。あとはいつも僕のことを待ってくれます。自分、いつも遅れるんですけど、文句を言わずに待ってくれるんです」

八木 「待つのはぜんぜん苦じゃないんだもん。物事を早く進めたいので、集合時間もちょっと早く行かないと嫌なんです」

ダルビッシュ 「自分は大体、ちょうどの時間に行くから」

八木 「それでちょうどの時間になるんです。ダルビッシュはとにかくマイペース。野球でも私生活でも自分をもっているから、何を言われても自分の道を行く。だから、普通に接しやすいですよ。いつもダルビッシュから誘われて自分も一緒に出かけるって感じ」

ダルビッシュ 「だってちょうど八木さん、いるんだもん」

八木 「気がつけば、いつも寮の食堂で二人で食事している。お互い暇なんだよね(笑)」

ダルビッシュ 「でも、部屋までは一緒にいないですよね」

--お互いにマイペースなんだ

八木 「そうですね」

ダルビッシュ 「でも、声をかけたら絶対に断らないですよね。自分は平気でコンビニとか断るのに」

八木 「断れないんだもん。苦じゃなければ大丈夫です」

--年の差は感じる?

八木 「感じないですね」

ダルビッシュ 「自分も感じないですね。もし大学だったら、1年と4年。絶対にこんな風に仲良しになれないですよね」

八木 「僕はそういうのが嫌だから、話しやすい環境でいたいんですけどね」

--試合で励ましあったりは?

ダルビッシュ 「いいピッチングしたのに、勝たれへんかったりしたら、“いいピッチングだったからよかったじゃないですか”って声かけますよね。でも、八木さん、精神的にやられているんですよね~」

八木 「落ち込まないけど…」

ダルビッシュ 「すぐに切り替えるけど、直後は結構考えこんでいる」

八木 「ダルはね、ポイント、ポイントで声かけてくれるから助かるんですよ。考えていたときにそう声をかけてもらうと、まぁ、考えてもしょうがないなって気持ちを切り替えるポイントになりますよね。ダルは5月30日(対巨人戦)から無敗でしょう。自分なんて声のかけようがない」

--勝ち続けるのって怖くない?

ダルビッシュ 「いつまでも勝ち続けたいと思うからプレッシャーに感じるんですよ。自分は連勝なんて頭になくて、投げる試合にあわせて調整するのにいっぱい。その試合を作ることしか考えてないから、負けても勝っても気にしないんです」

八木 「だって見ていても負ける雰囲気がないから、打たれて降板しても別にそこまで落ち込んでもないし。声をかける必要もない。すぐに切り替えて次は抑えるから、心配のしようがないんです」

--今シーズン、活躍できたきっかけって?

ダルビッシュ 「自分はヤクルトと神宮で戦ったときに肩を痛めたんですけど、あれからちょっと一度飛ばして、オールスター休みでしっかり休んで、たくさん走って肩のトレーニングをして。そこからガラリと変わったので、それで安定したんですよ。この期間が大きかったですね。どうやったら痛くないか、とだけ考えていましたからね。今とぜんぜんフォームも違いますしね」

八木 「僕は4月15日のソフトバンク戦で10回までのノーヒットですね」

ダルビッシュ 「わ~しっかりアピールするわ~(笑)!」

八木 「まぁまぁ。前半が1年目でどうやったらいいかわからなかったし。それがソフトバンク戦で自然に投げられて、いい結果になったので、力を入れなくても抑えられるなっていう感覚を感じて。そこからいけましたね」

--年が違うけど、1年目って思うとスゴいですよね

ダルビッシュ 「そうですよね~。でも八木さんはあのノーヒットが大きいと思いますね。どの程度のレベルかわからない中で、広島戦で勝って。お、いけるわって自分の中での気持ちって大きいと思うんです。そういうのがあるんじゃないですか。まぁ、まぁ1年目からよくやりましたよ!」

--一同爆笑

八木 「普通に投げていればいけるなって。もちろん甘いところに投げれば打たれますけど、丁寧に投げて自分の力が出せれば、抑えられるなっていう感覚がありましたね。それまでは騙し騙しのところがあったんですけどね」

--日本シリーズでも試合後のコメントが、「うまくいっちゃいました」って

八木 「はい」

ダルビッシュ 「なめてますよね~。でも、プロで通用するには、1軍ですごいんちゃうかって構えていたらダメ。ちょっとはナメておかないとダメだと思うんです。みんなそれがなかなかできない。すごい投手でも通用しなかったりするでしょう。僕ら二人とも、そういう気持ちがありますもん、心の中に」

八木 「確かに、気持ちが揺らいでしまうもんね。僕は結構考えちゃうタイプなんです。打たれないように、とか。打たれたらどうしようとか。でも、ダルとこんなに仲良くなって、考えがかなりプラス思考になりましたね。打たれても別にいいよって感じなんです。そういう心理状態が今までなかったんです。確かにこういう考えはいいな~って思ったら緊張もなくなってきた。いい影響を受けましたよ、ダルには」

--どの辺から優勝できると感じた?

ダルビッシュ 「ソフトバンクとの最終戦の2連戦。そこでパ・リーグは決まったと思いましたね。球場のファンの数がすごかった。最終戦でこれくらいだったら、プレーオフなんて余計くるだろう、と。ファンを味方につけられる。パ・リーグ制覇は決まったと思いました」

八木 「へぇ~。自分は何も考えてなかったな。調子もよかったし、打たれることもなかったから、勢いで力を出せたと思いますね」

--チームの中にいて感じた日ハムの強さとは?

ダルビッシュ 「ファンとの一体感かな。相手投手にしてみたら、普段はたいしたことのないヒットでも、球場の雰囲気からすごい1本に感じる。だからどんどん崩れていくし」

八木 「ファンの声援は本当にスゴイ力を出すし、相手のチームは、この球場に来ただけで負けそうだなっていう雰囲気を出していると思うんです」

--それが日ハムの強さなんだ

ダルビッシュ・八木 「そうですね」

--今後も続けるために課題は?

ダルビッシュ 「今シーズンは後半でよくなったので、それを最初から続けられるようにしたいです」

八木 「2年目のジンクスって言われると思うんですけど、しっかりトレーニングをして。ダルに刺激を受けて競争できれば最高だと思います」

(日刊スポーツ出版社「プロ野球ai」07年1月号から)



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