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第4回 いよいよ始まる2010公式戦

自身にしか踏み込めない領域へ、高みへ

日本シリーズの決戦に向けて、飛行機で新千歳に戻ったダルビッシュ(2009年11月6日=撮影・宮崎幸一)
自主トレを公開したダルビッシュ(右端)は、左から日本ハムのダース、西武の野上、田中とダッシュを繰り返す(2010年1月24日=撮影・今浪浩三)

 雪解けを迎えている北海道に、球春到来の足音が迫ってきた。3月20日、札幌ドームのソフトバンク戦で日本ハムは開幕を迎える。そのマウンドを託されたダルビッシュは、4年連続の大役をしっかりと見据えている。6年目のシーズン。ローテーションの柱として、日本ハムの大黒柱としてフル稼働するための、シンプルな決意を明かす。「1年間、ケガなく過ごす。結果と内容にもこだわってベストコンディションを作っていきたい」。例年、シーズン中も、成績の数字目標を公言することは、ほぼない。そのたぐいの質問が報道陣から飛んでも、シャットアウトする。1年間やれば、結果は自然とついてくる―。そんな自信の表れともとれるような、強い自負もあるのだろう。

 さらなる進化を求め、オフから過ごしてきた。西武の田中と野上、日本ハムの後輩ダースと行った宮崎での合同自主トレで、目指すリニューアルの一端を説明している。「去年はちょっと体の動きが、こぢんまりした。もっと力を伝えることができるはず」。自分自身しか踏み込むことができないような、動き、感覚の微調整に心血を注いできた。キャンプには体重を約4キロ落として、突入した。投球するまでの一連の動き、フォームを修正するために必要な作業だという。高みを走り続けているが、維持ではなく、向上するための変化を求める挑戦を、今季も継続している。

 春季キャンプでの動きからも、見てとれた。ブルペンではカーブを多投するシーンが目を引いた。2月18日の今季初実戦、韓国SK戦では最遅で90キロ。理想の球速は「そこまで遅くなくていい。本当は104、5キロくらい」という。これまでのシーズン中も球種の1つにしていた。だが、今季はさらに緩急差を生かし、投球の幅を広げようとするような意図のように、個人的には見えた。またツーシーム、シュートの精度にもこだわっていた。さらに立体的な投球の組み立てで、年々対戦することで慣れも出てくるであろう打者のさらに先をいこうとする、貪欲(どんよく)な思考がかいま見えた。

日本一、そのためにまずはリーグ優勝!

ロッテとの練習試合で、ロッテ金泰均の打撃を見つめるダルビッシュ(後方左端)(2010年2月25日=撮影・井上学)
ロッテとの練習試合で、ロッテ金泰均の打撃を見つめるダルビッシュ(後方左端)(2010年2月25日=撮影・井上学)

 4年連続の開幕投手としてスタートを切る今シーズン。ロッテには昨年3月のWBCでしのぎを削った韓国の主砲、金泰均が加入し「投手対打者」の1対1の真剣勝負という面で、新たな刺激もある。「ほかの韓国の打者はスライダーとかボール球に手を出してきたけれど、(金泰均は)違った。集中してきたら、すごい(対戦が)すごく楽しみ。(相手の)調子がいい時はストライクゾーンで勝負するしかない」。目の前にそびえる山が高ければ高いほどモチベーションが上がり、それがパフォーマンスへとつながるのが、ダルビッシュの特長。もちろん最大目標は昨季果たせなかった日本一で、その熱い思いをてらいなく明かす。「日本一。そのためにまずはリーグ優勝したい」。

 課せられた使命、アスリートとしての高い意識、そして反骨心―。ダルビッシュが、強いハートで追い込んで磨いた肉体、技を携え、10年のベールを脱ぐ時が来た。【日本ハム担当・高山通史】



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