1. 
2. 野球
3. ニュース

調整をするイチローは山田コーチ（左）とじゃれあう（撮影・菅敏）

　【サンディエゴ（米カリフォルニア州）１６日（日本時間１７日）】ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）第２ラウンド１組２回戦での韓国戦を前に、イチロー外野手（３５＝マリナーズ）が「イチ流」のジョークを連発した。今大会３回目、前回大会を含めると６回目で、勝てば準決勝進出が決まるライバルとの対決に「縁がある。もう結婚した方がいいかもしれない」などと、笑顔でコメント。１勝２敗と劣勢だった３年前は強烈なライバル心を隠さなかったが、今回の一戦は自然体で臨む。

　宿敵との対決を翌日に控えても、イチローに切迫感はみじんもなかった。最初の組でフリー打撃をこなし、その後は右翼のポジションでノックを受け、いつも通りの準備を終えた。公式練習終了後、群がる報道陣の質問に対し、ちゃめっ気たっぷりに切り返した。今大会だけでも３回目となる韓国戦。因縁の相手を「元カノ」に例えて、爆笑を誘った。

　イチロー　縁があるね。なんか、別れた彼女と街中でまた会っちゃうみたいな感じじゃないの？　縁があるヤツは会うからね、街中でも。

　さらに、「縁」のジョークは膨らんだ。０６年の前回大会から通算すると６回目の対決。

　イチロー　それは、もう結婚しちゃった方がいいかもしれないですね。そこまで会うんだったら。ははははは。いいと思いますよ。結婚の意味？　それよく分からないですけど。それはぼやかしておいて。

　もちろん「別れた彼女」にも、「結婚」にも深い意味はない。イタズラ小僧のような、特有のトークは、何よりも精神的にリラックスしている証拠だった。

　３年前の韓国戦では、テンションの高い発言が、ことあるたびに韓国への「敵対心」のように解釈された。１次リーグ前の「向こう３０年間、日本には勝てないなと（相手に）思わせるような勝ち方をしたいですね」に始まり、２次リーグの韓国戦に敗れた後「野球人生で最も屈辱的な日」と残した言葉のニュアンスが、周囲に正確に伝わらないまま、話題になった。いずれも、試合の勝ち方、負けた悔しさを素直に口にした結果だったが、当時は鬼気迫る表情で、熱い感情をむき出しにした。

　だが、今回はガラリと違う。韓国のイメージについても「まあ、体もおっきいしね。日本の野球というよりアメリカの野球に近いような印象ですけどね」と、淡々と話すばかり。さらに、全米ペット用品チェーン店がネーミングライツを持つ、会場のペトコパークの話題は、「ペトコだけに（愛犬の）一弓（いっきゅう）を連れてきたいな～っと思いますよね。強力な応援部隊を連れてきたいなと思いますけどね」といなし、キッチリと「オチ」まで付けた。

　サムライジャパンとしては、キューバ戦に快勝したことで、ムードは上昇中。５打数無安打に終わったイチローにすれば、打撃内容に納得がいかない一方で、連覇へ向けて前へ１歩進んだ事実に変わりはない。「ふざけてるわけじゃないですよ。半分だけふざけてるだけで」。気色ばむ報道陣を笑顔でかわすなど、最後まで力みは見えなかった。

　［2009年3月18日8時47分　紙面から］

このニュース・話題の日記を書く

※ニュースの日記を書く方法はこちらで紹介しています。

このニュースには全0件の日記があります。

ソーシャルブックマークへ投稿

ソーシャルブックマークとは

キーワード：

イチロー

• ウェブで調べる
• 過去記事を探す
• ＴＶ番組表をチェックする